停戦合意の実効性に疑問が生じる事態に
ロシア国防省は2025年3月26日、ウクライナ軍が国内のエネルギー関連施設を攻撃したと発表した。ウクライナ側はこの主張を全面的に否定し、逆にロシア軍が合意を破って攻撃を続けていると非難している。双方の対立が激化する中、停戦合意の実効性が問われる状況となっている。
ロシアがウクライナのエネルギー施設攻撃を主張
ロシア国防省は25日から26日にかけて、ウクライナ軍がクリミア半島、西部ブリャンスク州、クルスク州にあるエネルギー関連施設を無人機で攻撃したと発表。ロシア側は「ゼレンスキー大統領がエネルギー関連施設への攻撃を停止することに合意したにもかかわらず、攻撃が続いている」と主張し、ウクライナを強く非難した。
さらに、ロシアは「ウクライナはロシアとアメリカの合意を妨害しようとしている」と指摘し、停戦合意の維持が難しくなっていることを示唆した。
ウクライナ側は攻撃を全面否定
一方、ウクライナ政府はロシアの発表を全面的に否定した。ロイター通信によると、ウクライナ側は「25日から26日にかけて、ロシアが主張するような攻撃は行っていない」と述べた。
さらに、ウクライナ政府高官は「ロシア軍は3月18日以降、少なくとも8か所のエネルギー関連施設を攻撃している」と主張し、ロシア側が合意を破っていると指摘した。これにより、両国が互いに合意違反を非難し合う状況となっている。
停戦合意の維持は困難に
ロシア大統領府は、エネルギー施設への攻撃停止の合意が3月18日から30日間有効であると発表していた。しかし、合意が遵守されなかった場合、ロシア側は撤回の可能性を示唆している。
これに対し、アメリカのホワイトハウスは3月25日、ロシア・ウクライナ双方と合意の実施に向けた具体的な措置を策定すると発表。しかし、停戦合意の履行が困難な状況に陥っており、実効性が問われている。
戦況の行方と停戦合意の行く末
今回の攻撃をめぐる対立は、ウクライナ戦争の行方に大きな影響を与える可能性がある。停戦合意が遵守されるかどうかが、今後の戦局に大きく関わるとみられる。アメリカを含む国際社会の介入がどのように進むのか、引き続き注目される。