狙いはロシアの攻撃に対する即応力の強化
ドイツ政府は5月28日、ウクライナへの追加軍事支援として50億ユーロ(約56億ドル)の提供を発表した。これは、ロシアによる空爆で多くの民間人が犠牲となり、インフラ被害が深刻化している状況を受けたもので、すでにドイツ連邦議会下院で承認済みの予算から拠出される。
長距離兵器の共同生産で協力を深化
同日、ウクライナのゼレンスキー大統領がベルリンを訪問し、メルツ首相と共同記者会見を開いた。両国首脳は長距離ミサイルの工業生産を共同で進める方針を確認。詳細は明かされなかったが、協力体制をさらに強化していく構えを見せた。
ドローン製造や生産施設の建設にも合意
ゼレンスキー大統領は、ウクライナ国内での無人機(ドローン)などの兵器製造においても協力することで一致したと明らかにした。両国政府は生産施設の建設・開発に関する協定にも署名しており、技術支援と共同開発が進展するとみられる。
NATO加盟を巡る緊張と国際的な支持
ゼレンスキー大統領はまた、次回のNATO首脳会議にウクライナが招待されなければ、ロシアの外交的勝利につながると強調した。NATO事務総長や複数の加盟国はウクライナの参加を支持しているが、正式な招待は未定のままだ。
プーチン大統領は東方拡大の停止を要求
一方、ロシアのプーチン大統領は停戦の条件として、NATOの東方拡大停止を掲げており、これはウクライナや旧ソ連諸国の加盟拒否を意味する。ウクライナ支援を巡る国際的な力関係が改めて浮き彫りとなっている。