特別検察官が拘束令状を正式請求
特別検察官は6月24日、尹錫悦前大統領に対して特殊公務執行妨害などの容疑で拘束令状を請求したと発表した。請求先はソウル中央地裁で、令状の可否が今後の捜査の方向性を左右する見通しとなっている。今回の請求は、尹氏がこれまで複数回にわたる出頭要請を無視し続けたことを主な理由としている。
昨年の戒厳令宣布が捜査の発端に
問題の発端は2024年12月に遡る。当時大統領だった尹氏は国内の混乱を理由に戒厳令を宣言。これに対し、高位公職者犯罪捜査庁や検察などが合同で捜査に乗り出した。翌2025年1月には内乱罪で正式に起訴され、司法手続きが進行していた。
拘束中の行動にも新たな疑惑
さらに、拘束中の行動にも問題があったとされている。捜査によると、尹氏は自身の身柄を拘束から守るよう、大統領警護庁に対して直接指示を出していた疑いがある。これが公務執行妨害の構成要件に該当すると判断されたことも、今回の令状請求に繋がった。
3月に一度釈放も、捜査は継続
尹氏は今年3月に一時的に釈放されていたが、捜査当局は引き続き司法手続きを継続していた。特別検察官は「出頭要請に応じない態度が捜査を著しく妨げている」と強調しており、再度の拘束が必要だと判断した。
韓国政界に広がる波紋と今後の焦点
この一連の動きは、韓国政界に大きな波紋を呼んでいる。前大統領による非常措置の正当性と、それに対する法的責任追及がどのように決着するかが、今後の司法と政治の大きな焦点となる。裁判所が拘束を認めるか否かに注目が集まっている。