外国人運転手の事故割合が2.1%に上昇
警察庁は2025年上半期における外国人運転手による死亡・重傷事故が258件発生し、全体の2.1%に上ったと発表した。この数値は統計開始以来で最も高く、16年の1.0%から倍増した形だ。訪日客や在留外国人の増加に伴い、事故に占める外国人の割合が際立っている。
日本の運転免許保持者が8割超を占める
事故を起こした外国人運転手のうち、218件は日本の運転免許保持者であり、全体の8割以上を占めた。この中には自国免許から日本の免許に切り替える「外免切り替え」も含まれる。さらに、国際免許による事故は16件、外国免許のみでの事故は5件にとどまった。
国籍別統計で韓国・中国が最多
国籍別では、韓国・朝鮮および中国がそれぞれ51件で最多となり、ベトナム31件、ブラジル25件、フィリピン17件が続いた。これらの国籍は、日本国内の在留外国人構成とも相関しているとみられる。統計開始の05年以降、今回の件数は5番目の高さとなった。
外免切り替えの審査を厳格化へ
警察庁は10月から外免切り替え手続きを厳格化する方針を示した。具体的には、住民票の提出を義務化し、交通ルール確認試験の問題数を従来の5倍に増やすなど、運転技能や法令遵守意識の確認を強化する。これにより、事故防止策の実効性を高める狙いがある。
スマホ使用や電動キックボードも課題
ながら運転による事故は68件で過去最多を記録し、電動キックボードでは飲酒運転が顕著で、事故の17.8%に飲酒が関与していた。原付や自転車と比較して20~30倍の割合に達し、新たな交通モビリティのリスク管理が急務となっている。