米消費者物価、7月は2.7%の伸び率を維持
米労働省の発表によると、7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.7%上昇し、伸び率は前月と同水準だった。市場予想の2.8%には届かず、ガソリン価格の下落が全体の上昇を抑えた。前月比では0.2%上昇と、前月の0.3%から鈍化した。
コアCPIが3.1%上昇に加速
食品とエネルギーを除くコアCPIは前年同月比3.1%上昇し、前月の2.9%から伸びを強めた。前月比では0.3%上昇と、今年1月以来の大幅な伸びを示した。航空運賃や医療費、歯科サービスが価格上昇を牽引し、関税の影響を受けやすい家具や靴、自動車部品も上昇した。
ガソリンは大幅下落も一部品目は高騰
エネルギー分野ではガソリン価格が前月比2.2%下落し、前年同月比でも9.5%の大幅安となった。これに対し、中古車価格は4.8%上昇し、エネルギーを除くサービス価格も3.6%伸びた。需要が弱含む中でも、一部の品目では依然として関税分のコスト転嫁が進んでいる。
関税政策と企業の価格戦略の影響
トランプ政権の高関税政策は物価上昇圧力を残しており、企業は値上げを控える一方で赤字回避のため今後転嫁を進める可能性がある。現時点で流通する商品の多くには関税引き上げの影響が反映されていないが、今後の物価に波及するリスクが指摘されている。
FRBの判断基準に変化の兆し
FRBはサービス部門のデフレ傾向が鈍化していることから、9月の利下げ判断を巡って慎重姿勢を保っている。8月の雇用統計や今後のインフレ指標が金融政策の方向性を決定づける見通しだ。