西岸での新規住宅建設計画が承認
8月20日、イスラエル当局はエルサレムの東に位置する西岸地域の占領地において約3400戸の住宅を建設する計画を承認した。この動きは長年続く入植推進政策の一環であり、西岸地域の都市の連続性を断ち切る恐れがあると警告されている。パレスチナ側は以前から、入植地の拡大が和平の障害となり、二国家解決を遠ざける重大な要因だと批判してきた。
日欧豪外相が共同声明を発表
日本やイギリス、フランス、オーストラリアなど複数国の外相は21日、共同声明を発表した。声明ではイスラエル政府の決定を「国際法に反し、受け入れられない」と厳しく批判し、直ちに撤回するよう求めた。さらに「この入植計画はイスラエル国民に利益をもたらさず、暴力と不安定さを加速させるだけだ」と指摘し、中東地域の安全保障と繁栄を損なうと警鐘を鳴らした。
国連事務総長も計画撤回を要求
国連のアントニオ・グテーレス事務総長も同日、横浜市で開催中のTICAD会合で記者会見し、イスラエルの決定を非難した。「ヨルダン川西岸を分断する違法な入植地の建設は撤回されなければならない」と強調し、国際社会が一貫して入植活動を国際法違反とみなしている点を改めて明示した。
ガザ情勢への懸念も表明
グテーレス事務総長はさらに、ガザ地区で続くイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘に触れた。即時停戦と全人質の無条件解放を求め、「軍事作戦による多数の死者と広範な破壊を回避することが重要だ」と述べた。国際社会の関心は、西岸での入植問題と並行して、ガザの人道的危機にも向けられている。
国際圧力が高まる中での今後の焦点
イスラエルの入植拡大は長年国際社会の批判を受けてきたが、今回の規模は特に大きく、二国家解決の実現性をさらに低下させるとの懸念が広がっている。外相らの声明と国連の発言を受け、国際社会による圧力は一層強まるとみられるが、イスラエル政府が応じるかどうかは不透明な状況だ。