北朝鮮指導者が中国に到着
北朝鮮の金正恩総書記が9月2日午後、中国の北京に到着した。翌3日に予定される大規模軍事パレードに参加するためで、会場では習近平国家主席やロシアのプーチン大統領と並び立つことになる。金総書記にとって多国間の公的舞台への参加は初めてであり、外交的に注目される動きとなった。
軍事パレードの意義が判明
この軍事パレードは、日本との戦争での勝利から80年の節目に合わせて開催される。中国主導で進められる国際秩序の象徴的な場と位置づけられ、北朝鮮の参加は中国にとって外交的な成果とされる。西側諸国が警戒する中、習主席がプーチン大統領と金総書記を招いたことで、米国への牽制効果が強まる構図となっている。
到着時の中国側の対応を発表
金総書記が北京駅に姿を現すと、蔡奇常務委員や王毅外相ら中国指導部が出迎えた。現地メディアは、金総書記が「6年ぶりの訪中をうれしく思う」と語り、手厚い待遇に謝意を示したと伝えている。中国要人による対応は、この訪問に特別な重みが置かれていることを物語っている。
家族の同行が注目を集める
今回の訪中では金総書記の娘が同行している姿が確認され、韓国メディアは初めての海外同行だと伝えた。2022年以降、公の場に現れてきた娘の政治的な位置づけについては憶測が広がっている。ただし、後継者として公式に発表されていないため、象徴的な役割にとどまるとの見方もある。さらに、夫人の李雪主氏や妹の金与正氏が同行している可能性も指摘されている。
米国を意識した結束の影響
今回の訪中を通じて、北朝鮮は中国およびロシアとの関係を強化し、米国に対抗する姿勢を鮮明にしている。特にウクライナ情勢を巡り米露間の緊張が続く中での会談は、三者による戦略的な結束を印象づけるものとなった。金総書記の外交活動は、東アジアの安全保障環境に新たな緊張をもたらす可能性を秘めている。