日本だけで進んだ主力端末の価格変更
米アップルが、日本市場で販売するiPhoneの価格を引き上げた。7月17日に公式サイトの販売額が更新され、最新のiPhone 17シリーズをはじめとする複数の機種が改定対象となった。上昇率はおおむね8~10%で、国内で新製品を購入する利用者の負担が増える。
一方、米国では同じ機種の販売額が維持されている。世界共通で価格を引き上げたのではなく、日本国内で価格調整が行われた点が今回の特徴となる。日本と米国で対応が分かれたことで、為替相場を含む市場環境の違いがより鮮明になった。
円安進行が日本向け販売価格に反映
日本でのみ値上げされた背景には、円安の進行があるとみられている。アップルは米国企業であり、日本で得る売上をドルに換算する際、円の価値が下がると収益面の負担が大きくなる。従来の価格を維持した場合、同じ製品を販売してもドル換算の金額が減少する。
今回の価格改定は、そうした為替変動を国内価格に反映した動きと位置付けられる。米国では据え置かれているため、製品自体の世界的な定価が一律に変更されたわけではない。円安が続く日本市場に対し、地域別の販売条件を見直した形となった。
AI需要拡大でメモリー調達費も増加
為替に加え、メモリー半導体の価格上昇も製品価格を押し上げる要素となっている。生成AIをはじめとする人工知能関連の設備投資が広がり、データ処理に使用するメモリーの需要が増加している。需要の拡大により部品価格が上がり、電子機器メーカーの調達負担が重くなっている。
iPhoneにもデータを保存し、処理するためのメモリーが搭載されている。部品費用が高くなれば、端末の製造コストにも影響する。円安とメモリー価格の上昇が同時に進んだことで、日本での販売額を従来の水準に保つことが難しくなった。
機種ごとに8000円から1万5000円増額
iPhone 17の標準モデルは、最低価格が14万2800円に変更された。発売された2025年9月の価格より1万3000円高く、上昇率は約10%となる。日常的に選ばれやすい標準機種が1割高くなったことで、今回の改定を象徴する価格となった。
上位版のiPhone 17 Proは1万5000円上昇し、最低価格が19万4800円となった。2026年発売の廉価版iPhone 17eも8000円高い10万7800円に改定され、両機種の上昇率はそれぞれ8%だった。価格帯の異なるモデルに同時に変更が及び、シリーズを横断する見直しとなっている。
アップル製品で相次ぐ国内値上げ
アップルによる日本での価格調整は、iPhoneが最初ではない。6月下旬にはiPadやMacについても15~25%の値上げを実施した。タブレット、パソコンに続いてスマートフォンも対象となり、主力製品の多くで国内販売額が切り上がった。
ティム・クック最高経営責任者は6月のインタビューで、製品価格の引き上げは避けられないとの趣旨の発言をしていた。メモリー半導体の高騰が続く一方、日本では円安による輸入コストの増加も重なっている。今回のiPhone価格改定は、部品市場と為替相場の変化が日本の消費者向け価格に反映された事例となった。
