英国で明かされた中露艦艇の訓練実施
小泉進次郎防衛相は7月20日、英国南部で開催されたファンボロー国際航空ショーの会場で基調講演を行い、中国とロシアの海軍部隊が日本の排他的経済水域内で実戦を想定した訓練を実施したと明らかにした。訓練が行われたのは同日までの週末で、日本周辺における中露両軍の活動として説明した。
日本のEEZは、沿岸国が天然資源の開発や管理などについて権利を持つ海域である。今回の活動について、小泉氏は中露の軍事的な結び付きが強まっていることを示す具体例の一つとして取り上げた。英国で開かれた航空・防衛産業関係者が集まる場で、日本周辺の安全保障環境を国際社会に伝えた形となった。
沖ノ鳥島南西で確認された軍艦4隻
複数の関係者によると、海上自衛隊は7月19日午前2時ごろ、沖ノ鳥島の南西に位置する海域で、中国とロシアの軍艦計4隻が航行しているのを確認した。このうち、中国海軍のミサイル駆逐艦1隻が射撃を伴う訓練を行ったという。
訓練による民間船舶などへの被害は確認されていない。日本のEEZ内で中国海軍による射撃活動が判明することは珍しく、周辺海域での軍事行動を把握するうえで注目される事例となった。記事で示された範囲では、訓練に使用された兵器や射撃の対象、実施時間などの詳細は明らかにされていない。
弾道ミサイル試験や共同飛行にも言及
小泉氏は講演で、今回の海上訓練だけでなく、中国軍が実施した潜水艦発射弾道ミサイルの発射試験にも触れた。潜水艦から運用される弾道ミサイルは、海中から発射できる能力を持つ装備であり、中国軍の活動を説明する材料として示された。
さらに、日本周辺の空域で確認されている中国とロシアの爆撃機による共同飛行も挙げた。海上での共同活動に加え、航空戦力を用いた連携も行われているとして、中露間の協力が複数の領域に及んでいると指摘した。個別の行動を切り離さず、両国の継続的な軍事協力として捉える姿勢を示した。
欧州とインド太平洋の連動を強調
小泉氏は、インド太平洋地域の安全保障と欧州・大西洋地域の情勢は切り離せないとの認識を示した。地域ごとの問題として扱うのではなく、離れた地域で起きる軍事的な動きが相互に関係するとの考えに基づく発言となる。
そのうえで、日本がインド太平洋と欧州・大西洋を結ぶ役割を担うと述べた。英国での講演を通じ、中露の軍事活動に関する日本側の認識を説明するとともに、欧州諸国との安全保障協力を重視する姿勢を打ち出した。日本周辺で確認された事案を、より広い国際的な安全保障環境の中に位置付けた。
中露連携への警戒を国際社会と共有
今回の講演では、日本のEEZ内で実施された中露艦艇の訓練に加え、ミサイル試験や爆撃機の共同飛行が相次いで説明された。小泉氏は、これらの行動を中露による軍事協力の進展を示すものとして取り上げ、日本を取り巻く環境の変化を訴えた。
特に、中国の駆逐艦が沖ノ鳥島南西の海域で射撃訓練を実施したことは、中露艦艇4隻の航行確認とともに具体的な事実として示された。被害は報告されていないものの、日本周辺で両国が共同歩調を強めている状況が改めて浮き彫りとなった。日本政府は、地域を越えた安全保障協力の必要性を国際的な場で発信した。
