カナダ産原油が中東情勢悪化後初めて日本へ
経済産業省は8月10日、ENEOSが調達したカナダ産原油を積むタンカーが、12日にも日本へ到着する見通しだと明らかにした。目的地は鹿児島市にあるENEOS喜入基地で、中東情勢が悪化して以降、カナダからの原油が日本に届くのは初めてとなる。今回の輸入は、従来の主要な調達地域とは異なる供給元を確保する取り組みの一環に位置付けられている。
ホルムズ海峡を通らない原油調達ルートを確保
カナダ産原油の輸入は、ホルムズ海峡を経由しない代替的な調達手段として進められている。日本が主に輸入してきた中東産原油とは異なる航路を利用できることから、供給経路を分散する選択肢の1つとなる。ENEOSによる今回の輸送は、中東地域の状況が悪化するなかで進められている原油調達先の見直しを具体化した事例となった。
カナダから約10日、中東より短い輸送期間
経産省によると、カナダから日本への原油輸送には約10日を要する。一方、中東からの輸送期間は約20日とされており、カナダからはその半分程度の日数で運ぶことができる。輸送距離や航路が異なるため単純な比較はできないものの、カナダ産原油は日本への到着までの期間が短いという特徴を持つ。
米国やメキシコなどからも代替原油を調達
日本は中東情勢が悪化して以降、カナダ以外からも原油の調達を進めている。これまでに米国、アゼルバイジャン、メキシコなどから原油を確保しており、供給元は複数の地域へ広がっている。今回、新たにカナダ産が加わることで、日本が進めている代替調達の対象地域がさらに拡大する形となる。
経産省はカナダ産原油の継続的な輸入に期待
経産省は、カナダからの輸入が原油調達先の多様化につながるとの認識を示している。今回の1回の輸送にとどまらず、カナダ産原油が継続して日本へ入ることが望ましいとしており、安定した供給経路の確保を重視している。中東からの調達を維持しながら、米州など異なる地域からの輸入を組み合わせる動きが進められている。
