米国約500都市へ年末までに配送網を拡大
米アマゾン・ドット・コムは8月19日、ドローン配送サービス「Prime Air」を2026年末までに米国内の約500都市・町へ広げる方針を発表した。現在はアリゾナ、フロリダ、カンザス、ルイジアナ、ミシガン、ネブラスカ、テキサスの7州にまたがる10都市圏、計11拠点から周辺地域へ商品を届けている。今回の計画で提供範囲は現在の約6倍となり、数千万人規模の顧客が利用できるようになるとしている。これまで限定地域で運用してきたサービスを、より広い地域を対象とする配送網へ拡張する動きとなる。
11拠点から広域化、1拠点で複数地域をカバー
新たな展開先には、イリノイ州シカゴ、ニューヨーク州シラキュース、オハイオ州クリーブランド、ジョージア州アトランタ、アイダホ州ボイシの各都市圏が含まれる。1つの配送拠点から半径約12キロ、面積では約450平方キロの範囲をカバーし、周辺の複数の町へ商品を届ける仕組みを採用する。単一の拠点から複数地域を受け持つことで、拠点数だけに依存せずサービス対象を広げる形だ。現在の11拠点を基盤としつつ、新規地域で順次運用を始め、年末までの大幅な提供地域拡大を目指す。
料金は会員2.99ドル、50ドル以上は無料
ドローン配送の料金は、Amazon Prime会員が1回2.99ドル、非会員が4.99ドルに設定される。Prime会員は注文額が50ドル以上の場合、配送料が無料となる。対象商品は食料品、化粧品、医薬品、電子機器など数百万点に及び、重さ約2.3キロ以下で大きめの靴箱に収まる商品であれば幅広く利用できる。アマゾンによると、同社で購入頻度の高い商品の60%以上がこの条件に当てはまる。日常的に購入される幅広い商品を対象に含めることで、ドローン配送を特定商品のみに限らないサービスとして展開する。
数百万点が対象、最短30分で商品を迅速配送
配送時間は最短30分で、多くの注文は決済から約60分で到着するという。対象商品をドローンで運ぶことで、比較的短い時間で注文品を受け取れる仕組みを整える。使用する機体は完全電動で、小雨や幅広い気温の条件でも飛行できるとしている。騒音についても、荷降ろし時は路肩でアイドリングする配送トラックを下回る水準で約30秒間、上空を飛行する際は弱運転の窓用扇風機と同程度と説明している。Prime Airの構想は、創業者ジェフ・ベゾス氏が2013年に無人ドローンを披露してから10年以上を経て、大規模展開の段階へ移る。
規制対応を進め10年超越しの本格展開を開始
サービスを各地へ広げるには、地域ごとの規制当局の承認に加え、地元議会の公聴会や住民からの意見聴取などの手続きが必要となる。一方、アマゾンは米連邦航空局から米国内のほとんどの地域で飛行するための許可を得ているとしている。安全面では商用航空会社と同じ枠組みにあたるFAAのパート135認証を取得し、周囲の空域や環境を監視する「Detect-and-Avoid」システムも採用している。今後は地域ごとの承認を進めながら、年末までに約500都市・町へ提供地域を広げる計画で、長期間開発してきたPrime Airを米国内で本格的に拡大する局面となる。
