ChatGPT広告事業、年換算売上高10億ドルを突破
米OpenAIは8月31日、対話型AI「ChatGPT」で展開する広告サービスの年換算売上高が10億ドル、約1600億円に達したと明らかにした。2026年初めに米国で試験運用を始めてから200日足らずで到達した規模となる。広告主はすでに数万社に広がっており、広告が同社の新たな収益源として存在感を高めている。
OpenAIはこれまで、個人向けの有料プランや企業向けサービスを主要な収益基盤としてきた。広告についてもこれらと並ぶ事業として位置付け、ChatGPTの利用規模を生かした収益化を進めている。
米国での試験運用から短期間で広告事業が拡大
ChatGPT広告は2026年初めに米国で試験的に導入された。OpenAIは4月、運用開始から6週間で年換算売上高が1億ドルを超えたと公表しており、その後も広告主の増加や対象地域の拡張によって規模を伸ばした。
広告は利用者の質問内容に関連する情報を表示する仕組みを採用している。OpenAIは広告によってChatGPTの回答そのものが左右されることはないと説明しており、回答と広告を分離する方針を示している。
無料版とGoプランを対象に広告収益を確保
現在、広告が表示されるのはChatGPTの無料プランと低価格帯の「Go」プランの利用者だ。ChatGPTの週間利用者は10億人を超えており、その大半を無料プランの利用者が占めている。
OpenAIにとって広告収入の拡大は、多数の無料利用者にサービスを提供するための収益基盤にも位置付けられている。利用者への課金だけに依存せず、広告を組み合わせることで事業全体の収益源を増やす形となっている。
Ads Managerの海外展開で広告主層を拡大
OpenAIは8月31日から、インド、欧州、中東・北アフリカ地域の広告主に対して「Ads Manager」の提供を開始した。これにより、対象地域の企業はChatGPT広告を直接購入できるようになった。Ads Managerはすでに米国で提供されている。
同社によると、この広告管理ツールの導入後、中堅・中小企業による広告利用が増加した。現在ではこうした企業が広告事業で重要な割合を占めており、米国外の広告主から得る売上高の比率も上昇している。ただし、地域別の具体的な売上高は公表していない。
IPOを見据え巨大ITとの広告競争が本格化
OpenAIは将来の新規株式公開を視野に入れ、巨額のAI開発費を支えるための収益源拡大を進めている。同社は2026年に米国でIPOに向けた非公開申請を行っており、報道では2027年、またはそれ以前の上場を目指しているとされる。
一方、市場調査会社イーマーケターのアナリストは、年換算10億ドルという実績について評価する一方、OpenAIが掲げる2026年の広告収入目標25億ドルとの隔たりを指摘している。広告市場ではAlphabetやMetaが年間数千億ドル規模の収入を得ており、OpenAIが広告事業を拡大することで、大手IT企業との競争も一段と強まる構図となっている。
