ロシアとイラン首脳がビシケクで会談
ロシアのプーチン大統領は9月1日、中央アジア・キルギスの首都ビシケクでイランのペゼシュキアン大統領と会談した。上海協力機構(SCO)首脳会議に合わせて行われたもので、米国が2月にイランへの軍事攻撃を開始してから、両首脳が直接顔を合わせるのは初めてとなった。プーチン氏は会談で、攻撃によって厳しい状況に置かれているイランとの連帯を改めて打ち出した。
ロシア大統領府などによると、プーチン氏はロシアとイランの友好関係に言及し、イラン国民が自国の利益を守ろうとする姿勢を高く評価した。そのうえで、ロシアがイランへの支援を続け、必要とされる物資を供給していく考えを示した。
米国の圧力続く中で支援方針を確認
イランを巡っては、戦闘終結に向けた協議が進展しない中、米国が経済制裁を強化している。こうした状況を踏まえ、プーチン氏はロシアがこれまでもイランを支援し、必要な物資を提供してきたと説明した。今回の会談でも、その方針を継続する立場を明確にした形だ。
プーチン氏は、米国とイスラエルによる攻撃を受けたイランについて、ロシアが国民との連帯を維持すると表明した。ロシアとイランは友好関係を築いており、プーチン氏はこれまでもペゼシュキアン氏との電話協議を通じ、即時停戦を支持する意向を伝えてきた。
ペゼシュキアン氏は米国への対抗姿勢示す
ペゼシュキアン氏はロシアからの支援に謝意を伝えるとともに、米国との和平協議を巡って自国の立場を強調した。米国から不当な要求や行動を押し付けられることは受け入れられないとの考えを示し、一方的な対応に対抗する姿勢を鮮明にした。
また、ペゼシュキアン氏は自国側の勝利への確信を口にし、米国との交渉において簡単には譲歩しない考えを示した。一方、8月31日に会談したインドのモディ首相には、中東で戦闘が続くことはイランだけでなく地域全体の利益にもならないとの認識を伝えている。
SCO各国との外交接触も相次ぐ展開
ペゼシュキアン氏はSCO首脳会議への出席を通じ、ロシア以外の各国首脳とも接触した。モディ首相との会談に加え、中国の習近平国家主席と短時間言葉を交わしたことも自身のSNSで明らかにした。中東情勢が緊迫する中、SCOを舞台に複数の主要国との外交を進めた形となった。
一方、ロシアとイランの関係を巡っては、ロシアが侵攻を続けるウクライナでイラン製ドローンなどを使用している。今回の会談では、両国が従来の友好関係を改めて確認し、イランが置かれた状況を巡って支援方針を共有した。
SCO宣言でもイランの主権支持を明記
2日間にわたったSCO首脳会議は9月1日に閉幕し、会議を総括する「ビシケク宣言」が採択された。宣言では、イランの主権と領土一体性への支持が確認されたほか、米国とイスラエルによる軍事作戦で死亡したイラン前最高指導者アリ・ハメネイ師らへの哀悼も盛り込まれた。
一方、宣言ではウクライナ情勢への言及はなかった。イランを巡る情勢がSCO首脳会議でも主要なテーマの1つとなる中、ロシアは首脳会談と共同文書の双方を通じ、イランを支える立場を明確にした。
