電気料金が10月使用分で過去最高水準、大手10社一斉値上げで家計負担拡大

瀬川結羽
经过

大手電力10社で10月使用分が一斉に上昇

10月に使用し11月に請求される電気料金が、大手電力10社すべてで上昇する。国の認可が必要な規制料金では、平均的な家庭の負担が前月から835~1578円増え、各社とも過去最高の水準となる。夏場に実施されていた料金支援の終了に加え、発電用燃料や送配電に必要な費用の増加が重なった。

北海道電力は1286円増の1万552円、東北電力は1486円増の9690円、東京電力は1286円増の9561円、中部電力は1492円増の9647円となる。北陸電力は835円増の7970円、関西電力は1318円増の8251円、中国電力は1326円増の9158円、四国電力は1412円増の9372円、九州電力は1239円増の8115円、沖縄電力は1578円増の1万752円となる。

夏の料金負担を抑えた支援終了が押し上げ

政府による電気料金への支援は2023年1月使用分から始まり、中断を挟みながら実施されてきた。2026年夏には7~9月使用分を対象に、1キロワット時当たり3.5~4.5円を補助していた。この支援が9月使用分で終了するため、10月は値引きがなくなることが料金上昇に直結する。

標準的な家庭では、支援によって7月は1490円、8月は2084円、9月は1536円の負担が軽減されていた。利用者が申請する方式ではなく、電力会社に値引きの原資を支給し、請求額を直接引き下げる仕組みだった。その効果がなくなることで、10月使用分では負担額が大きく増える。

LNGなど燃料価格上昇も電気料金に反映

料金を押し上げるもう1つの要因が、火力発電に使う燃料価格の上昇だ。国際的な原油取引の指標となるWTI先物価格は1バレル90~100ドル程度で推移し、中東情勢が緊迫する前の60ドル前後を大幅に上回っている。日本の火力発電で大きな割合を占めるLNGも価格が上昇している。

燃料価格の変化は「燃料費調整制度」を通じて電気料金に反映される。LNG、石炭、石油の輸入価格を3か月分平均し、翌々月の使用分に反映する仕組みで、10月料金には6~8月の平均価格が使われる。東京電力では、この調整によって一般家庭の料金が122円押し上げられた。

送配電コスト増加も9社の料金に転嫁

電気を家庭や企業まで届けるための送配電費用も上昇している。送電網を利用する際の「託送料金」は、資材価格や人件費の上昇を背景に、北陸電力を除く9社で11月1日から引き上げられる。各社は増加する負担を電気料金へ反映している。

電力会社ごとの料金差には、標準的な使用量の設定だけでなく、発電構成も影響する。火力発電で使用する燃料の種類や割合に加え、原子力、水力、太陽光などの発電設備がどの程度稼働しているかも異なる。こうした電源構成の違いが各地域の料金水準に表れている。

冬の需要期を前に燃料価格の動向が焦点に

都市ガスも大手4社がそろって値上げする。平均的な家庭では東京ガスが744円増の6488円、大阪ガスが572円増の6902円、東邦ガスが553円増の7118円、西部ガスが435円増の6932円となる。LNGの輸入価格上昇と料金支援の終了が電気とガスの双方に影響している。

今後の電気料金を左右する燃料価格は、中東情勢や米国のエネルギー政策、為替相場など複数の要因によって変動する。秋に入り冷房需要は減少する一方、冬には暖房によって電力使用量が増える時期を迎える。過去最高水準に達した料金が今後どのように推移するか、燃料価格と国際情勢の動向が焦点となる。

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