旧村上ファンド系によるテレビ朝日株の保有拡大が判明
旧村上ファンドに関係する投資会社シティインデックスイレブンスと、著名投資家の村上世彰氏の長女である野村絢氏が、テレビ朝日ホールディングス(HD)の株式を買い増した。両者が共同で所有する株式の割合は5.06%となり、同社に対する投資規模が拡大したことが明らかになった。
この事実は、10月22日にシティインデックスイレブンスが関東財務局へ提出した大量保有報告書によって確認された。報告義務が生じた日は10月15日であり、提出された書類には株式の所有状況と取得目的が記載されている。
共同保有分の大部分を占めるのは野村氏の所有株式である。今回の報告では、単なる株式投資にとどまらず、テレビ朝日HDの企業価値を高めるための具体的な経営上の提案も示された。
6月時点の保有比率1.86%から投資規模が拡大
テレビ朝日HDが6月に公表した定時株主総会の招集通知では、野村氏の株式保有比率は1.86%だった。同氏は当時、同社の第8位の株主として記載されており、すでに一定規模の株式を所有していた。
主要株主には、20.21%を保有する朝日新聞社と、17.70%を所有する東映が名を連ねていた。これらの企業が大きな持ち分を確保する株主構成の中で、野村氏も上位株主の一人となっていた。
今回明らかになった5.06%という数字は、野村氏と投資会社による共同保有比率であり、6月時点の野村氏個人の保有割合とは集計対象が異なる。それでも、追加取得を通じて関連する株式の保有規模が拡大したことが確認された。
増配や自己株取得を含む資本政策の見直しを提案
大量保有報告書には、株式取得の目的として、株主価値の向上に向けた経営面での助言や提言が明記されている。対象には資本政策の変更に加え、企業統治の仕組みに関する事項も含まれる。
具体的な施策として示されたのが、配当金の増額と自己株式の取得である。増配は株主が受け取る利益の拡大につながり、自社株買いは企業が発行済み株式を市場などから取得する資本政策の一つである。
投資会社側は、こうした手段を通じた株主価値の改善を提案項目に挙げた。テレビ朝日HDに対しては、資本の活用方法や経営管理のあり方を含む提案がすでに行われている。
事業資産の売却や経営陣による買収も提案対象に
資本政策に関する要求は、株主還元策だけに限定されていない。提出書類では、テレビ朝日HDの子会社を含めた事業や保有資産の売却についても、検討対象となる施策として示された。
さらに、MBOと呼ばれる経営陣による自社買収を通じて、株式を非公開化する選択肢も盛り込まれている。MBOは、経営陣が自社の株式を取得し、経営権を確保する取引手法である。
今回の報告書では、これらが企業価値の改善を目的とする提案内容として列挙された。ただし、テレビ朝日HDが各提案を受け入れたことや、具体的な売却・買収手続きが決定したことは示されていない。
今後3か月以内の追加取得も示す投資会社側の方針
シティインデックスイレブンスは、テレビ朝日HDの株価が割安な水準にあると判断した場合、今後3か月以内に5%を超える株式をさらに取得する可能性があると説明している。
今回判明した共同保有比率5.06%に加え、追加投資の選択肢を明示したことで、同社株式に対する投資方針がより具体的になった。ただし、追加取得は株価に関する判断を条件としており、実施が確定したものではない。
すでに経営面での提案が行われている一方、テレビ朝日HDによる対応の詳細は明らかになっていない。10月22日の大量保有報告書は、株式取得の現状と投資会社側が掲げる経営改善の方向性を示すものとなった。
