GMOへの不正侵入で巨額の金銭要求が明らかに
10月26日、GMOインターネットグループの投資家向けクラウドサービスで発生した不正アクセスについて、攻撃者側が当初5000万ドル(約80億円)の支払いを求めていたことが判明した。同社の熊谷正寿社長は、自身のブログを通じて攻撃者から送られた文書の一部を公表し、要求の詳細を明らかにした。
文書には、日本時間の10月21日午後5時までに指定額を支払うよう求める内容が記されていた。送金手段にはビットコインやイーサリアムなどの暗号資産が指定されていた。
会社側は、こうした要求に従っておらず、攻撃者への送金も行っていないと説明している。
支払期限を27日正午に変更し新たな脅迫を展開
不正侵入に関与したとみられる集団は、その後もインターネット上で声明を発信し、要求額と支払期限を変更した。
10月24日夜に公表された声明では、27日正午までに100万ドル(約1億5700万円)を支払うよう要求した。指定された金額が支払われなければ、利用者の個人情報を外部に公開すると警告している。
さらに、サービスのサーバーを経由して侵入した利用者のパソコンを暗号化するなど、ランサムウェアによる攻撃も予告した。
攻撃者は顧客にも直接メールを送信しており、会社側が交渉を拒否したため口座残高を消去したと主張している。顧客情報をダークウェブで販売するとの警告も出している。
顧客情報の流出と身に覚えのない取引を確認
今回の問題は、外国為替証拠金取引(FX)などの自動売買に利用されるサーバーで発生した。
GMOは10月19日、利用者から寄せられた問い合わせを受けて調査を開始した。翌20日には、一部のサーバーに不正なプログラムが設置されていたことが判明した。
21日以降、被害拡大を防ぐため、対象となるサーバーの稼働を段階的に停止した。その後の調査で、顧客情報が外部へ持ち出されたことや、利用者が認識していない取引が成立していたことが確認された。
22日には警察へ相談し、取引口座のパスワードなどが第三者に閲覧された可能性も公表した。
攻撃者の要求拒否と利用者への補償方針を表明
GMOは、攻撃者との金銭交渉には応じない姿勢を維持している。
10月24日には、影響を受けた可能性のあるサーバーが2万6000件余りに達すると説明した。利用者全員に5000円の見舞い金を支給するとともに、不正アクセスによって発生した損失を補償する方針を示している。
また、利用者に対して緊急の注意喚起を行い、使用中のパソコンをウイルス対策ソフトで全面的に検査し、重要なデータをバックアップするよう呼びかけた。
同社は政府に対し、被害拡大を阻止するための能動的サイバー防御について緊急要請も行った。民間企業だけで国境を越えた犯罪集団に対処することの難しさを訴えている。
金銭要求を拒否したまま新たな期限への対応続く
熊谷社長は10月25日、今回の問題について謝罪するとともに、社内のセキュリティー専門家から事前に改善点が報告されていたことを明らかにした。
会社側は、サービスの継続性や他の対策との優先順位を検討していたものの、十分な速度と深さで改善を実施できなかったと説明した。
攻撃者は顧客アカウントの17%、約77億円相当の口座を破壊したとも主張している。ただし、これは攻撃者側が発信した内容であり、会社が確認した被害額ではない。
27日正午という新たな期限を前に、GMOは要求に応じない方針を継続している。顧客の資産と情報を保護するため、被害の確認や利用者への対応を進めている。
