新たな個人移動手段が発表
ホンダは9月8日、座ったまま体重移動で走行できる一人乗り電動モビリティ「UNI-ONE(ユニワン)」を、同月24日に発売すると明らかにした。移動の負担を軽減することを目的に開発され、遊園地や大型商業施設などで長距離移動が困難な利用者の支援に加え、警備や配送業務にも活用できる仕様となっている。販売形態は法人向けのサービス契約を基本とし、維持管理や保険を含む包括的な提供方式を採用した。
契約形態と料金体系が発表
導入に際しては、長期契約と短期レンタルの両方が用意された。10台以上を対象とした料金は、6年契約で1台あたり月額8万円、3年契約では月額10万円に設定されている。短期利用は1日単位で可能で、1台につき5万5千円となる。柔軟な契約形態により、施設運営者や企業が用途に応じて導入しやすい仕組みが整えられた。
サンリオなど複数企業が導入決定
サンリオエンターテイメントが運営する大分県の「ハーモニーランド」をはじめ、すでに10の法人が導入を決めている。ホンダは今後5年間で1,000台の販売を見込み、2030年までに売上高40億円の実現を掲げる。活用の場は観光やレジャー施設に限らず、他業種への広がりも想定されている。
技術と機能の特徴が明らかに
ユニワンには二足歩行ロボット「ASIMO」で培ったバランス制御技術が応用されており、利用者の体重移動に応じて自然な挙動を実現する。前後左右の移動やその場での回転に加え、傾斜10度までの坂道の走行も可能である。最高速度は時速6キロ、充電2時間で10キロの走行ができる仕様となっている。両手を自由に使える設計により、人ごみの中でも安全に移動できる点も強調された。
海外展開と将来構想が注目
発表会で事業責任者の中原大輔氏は「将来的にはスマートシティのインフラの一部として活用したい」と述べた。国内導入を基盤に、米国をはじめとする海外市場での展開も検討されており、今後の成長戦略に注目が集まる。
