双方の機関が脱炭素推進で協力を発表
日本とEUは9月16日、脱炭素分野での協力を深める覚書を交わした。署名には日本貿易振興機構(ジェトロ)と欧州の投資ファンド「イノエナジー」が参加し、スタートアップ企業の技術開発や投資を後押しする枠組みを整えた。これにより両地域の企業間連携が促され、低炭素社会への移行を加速させる狙いがある。
覚書の内容と企業支援の枠組みが判明
覚書には、脱炭素技術を持つスタートアップ同士の交流促進、情報共有の仕組み強化、共同研究の可能性拡大が盛り込まれた。投資や人的ネットワークの拡大を通じ、次世代エネルギーや蓄電池関連の技術革新を支援する方針が確認された。
石破首相とEU高官が協力の重要性を発表
石破茂首相は首相官邸でEUのセジュルネ上級副委員長と会談し、「経済政策と企業間の連携を両輪として進めることが不可欠だ」と述べ、協力に前向きな姿勢を示した。両者は、国際情勢の不確実性が高まる中での連携強化に意義があると一致した。
経産相がスタートアップの役割を強調
署名式に立ち会った武藤容治経済産業相は、スタートアップが脱炭素化を牽引する存在であると指摘し、「技術革新の役割は極めて大きい」と強調した。イノベーションが新産業の基盤となり、日本とEU双方の競争力強化につながるとの見解を示した。
経済安全保障と産業基盤強化への影響
今回の覚書は、単なる技術協力にとどまらず、経済安全保障や産業基盤の強化にも直結するとみられている。重要鉱物の安定供給やエネルギー供給網の強靱化は、日本とEU双方にとって喫緊の課題であり、連携深化によって具体的な成果が期待される。
