3日連続で過去最高値を更新した米株市場
22日のニューヨーク株式市場では、ダウ平均株価・ナスダック総合指数・S&P500指数の主要3指数がそろって3日連続の最高値を記録した。背景には、生成AIを手がける企業への巨額投資を発表したエヌビディア株の急伸があり、投資家の期待を集めた。市場全体では半導体関連株を中心に買いが広がり、投資マインドを押し上げた。
エヌビディアが発表したオープンAIへの大型投資
エヌビディアは22日、生成AI「ChatGPT」を開発するオープンAIに最大1000億ドル(約15兆円)を投資すると明らかにした。これを受けて同社株は3.9%上昇し、半導体分野全体に資金流入が波及した。AI需要の拡大に対する期待感が改めて浮き彫りとなり、株式市場を力強く押し上げる結果となった。
アップルとテスラも株価上昇が判明
半導体関連に加え、ハイテクやEV分野の大手銘柄も買いを集めた。アップル株は4.3%高となり、iPhone17の需要が堅調であるとの見方や、証券会社による目標株価引き上げが評価された。さらに、テスラ株も1.9%の上昇を記録し、成長期待の強さを裏付けた。これらの動きは市場全体の上昇基調を後押しする形となった。
FRB当局者の発言が示す金融政策の不透明感
一方で金融政策に関する発言も注目を集めた。セントルイス連銀のムサレム総裁やアトランタ連銀のボスティック総裁は、直近の0.25%利下げは妥当としつつも、追加の利下げには慎重姿勢を示した。これに対し、FRBのミラン理事は「現在の政策は過度に引き締め的」と述べ、0.5%の利下げが正当化されるとの考えを表明した。こうした見解の相違が、市場参加者に今後の金融政策を見極める材料となっている。
政権のビザ方針が市場に与える影響
相場の上昇を支える一方で懸念材料も存在する。トランプ大統領が高度専門職向けのビザ申請に新たな手数料を課す方針を示したことが、ハイテク業界から反発を招いた。経営者や投資家はSNS上で不満を表明しており、企業活動への影響を懸念する声が広がっている。
