株価が急伸し一時4万8000円台に到達
6日の東京株式市場で日経平均株価が急上昇し、終値4万7944円76銭で取引を終えた。前週末比2175円26銭高の大幅上昇で、史上最高値を再び塗り替えた。取引中には4万8150円まで上昇し、初めて4万8000円台を突破。新たな節目を超えた形となった。
財政拡張政策への期待が相場を牽引
市場では、自民党新総裁に選出された高市早苗氏の積極財政路線が好感されている。景気刺激策や成長投資の推進に対する期待が強まり、投資家心理を支えた。とりわけ、防衛・宇宙産業やサイバーセキュリティ関連株など、高市氏が重点分野とする業種で買いが集中した。
円安が進み、自動車や電機など主要輸出株が堅調
外国為替市場では円安・ドル高が進み、午後5時時点で1ドル=150円01〜03銭。高市氏が日銀の利上げに否定的と見られていることから、追加利上げの可能性が後退し、円売りの動きが加速した。これにより輸出関連企業の収益改善が期待され、株価上昇を後押しした。
「高市トレード」拡大で市場に追い風
金融市場では「高市トレード」と呼ばれる買いが広がった。成長投資と財政規律を両立する姿勢に対し、市場は「いいとこ取り」と受け止めている。大和証券の坪井裕豪チーフストラテジストは、「高市氏は規律を保ちながらも成長投資を明確に掲げており、投資家が安心感を得ている」と指摘した。
政策実行力と企業業績が今後の焦点に
株式市場は全面高の様相を呈している一方で、少数与党という政治的背景が懸念されている。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大西耕平氏は、「国土強靭化やエネルギー安定供給関連銘柄は短期的に買われやすいが、政策の実行力と企業業績の持続性が試される」と分析した。
