中間期で大幅増益、構造改革が寄与
セブン&アイ・ホールディングスは2025年3〜8月期の連結決算で純利益が1218億円と前年同期比で約2.3倍に拡大した。前年に発生した子会社譲渡損失などの特別損失が消えたほか、イトーヨーカ堂の不動産売却益が利益を押し上げた。営業利益は2083億円で前年同期比11.4%増。構造改革が利益体質の改善に寄与した格好だ。
国内コンビニが苦戦、営業利益4.6%減
一方で、主力のセブン-イレブン・ジャパンによる国内コンビニ事業は低迷した。物価上昇や人手不足が続き、消費者の節約志向が強まる中で営業利益は前年同期比4.6%減。海外事業が好調を維持する中で、国内の収益鈍化が目立った。
通期業績を下方修正、見通しに慎重姿勢
同社は2026年2月期通期予想を下方修正。売上高は10兆5600億円(前年同期比11.8%減)、営業利益は4040億円(同4%減)とし、従来の増益見通しを取り下げた。アナリスト予想を下回る内容で、市場では国内店舗の回復遅れを懸念する声が上がっている。
デイカス社長、成長戦略の継続を強調
記者会見でスティーブン・ヘイズ・デイカス社長は「新経営戦略は順調に進行しており、初期段階ながら成果が見え始めている」と述べた。イトーヨーカ堂やセブン銀行の非連結化により、コンビニ事業への集中を進めており、グループ再編によって持続的成長を目指すとした。
株価は低調、外部圧力も意識
株価は1株1980円前後で推移し、カナダのクシュタール社による買収提案価格2600円を下回る水準が続く。日経平均が最高値を更新する中、セブン&アイ株は伸び悩んでおり、経営改革の成果を早期に示せなければ外部株主からの圧力が強まる可能性がある。
