建設コスト上昇が価格を押し上げる構図
不動産経済研究所の最新調査によれば、2025年4〜9月期の近畿2府4県における新築分譲マンションの平均価格は5543万円となり、前年同期から約3%上昇した。建設費や土地取得費の上昇が続き、価格高騰に拍車をかけている。
1平方メートル単価、4年連続で過去最高を更新
期間中の1平方メートルあたりの平均単価は94万4000円で、前年より7%高。この水準は4年連続で過去最高を更新した。特に大阪市中心部の高層マンションや再開発地域での価格上昇が目立つ。
発売戸数は7174戸、大阪市で2割近い増加
上半期の発売戸数は7174戸(前年同期比8%増)と2年連続の増加。都市別では大阪市が19.8%増の2558戸、神戸市が10.4%増の764戸、京都市が18.7%増の877戸と主要3都市で供給が拡大した。
万博後も続く再開発と投資需要の強さ
大阪・関西万博が閉幕した後も、カジノを含む統合型リゾート(IR)計画や新線「なにわ筋線」開業などの大型プロジェクトが控えており、需要は底堅い。不動産経済研究所の笹原雪恵・大阪事務所長は「契約率は70%を維持し、首都圏に比べた割安感から投資需要も強い」と説明している。
今後も堅調な推移が見込まれる市場動向
専門家は、資材費や人件費の高止まりに加え、都市再開発による立地価値の上昇が続くと見ており、当面の価格上昇は避けがたいと指摘する。市場は供給拡大局面にあるものの、需要が吸収しており、価格下落の兆しは見られない。
