日経平均、2日連続で史上最高値を更新
10月30日の東京株式市場で、日経平均株価(225種)は前日比17円96銭高の5万1325円61銭で取引を終えた。終値としては2日連続の最高値更新となる。前日の米国市場でハイテク株が堅調に推移したことが追い風となり、東京市場でも半導体やAI関連銘柄への買いが続いた。寄り付き直後は買いが優勢で、一時5万1657円まで上昇する場面もみられた。
日銀の政策維持で市場に安心感広がる
この日の焦点は日銀の金融政策決定会合だった。会合では前回に続き政策金利が据え置かれ、利上げを主張した委員の数も2人にとどまった。市場では「利上げ継続への姿勢が抑制的」との受け止めが広がり、株式市場では買い安心感が強まった。外国為替市場では円安・ドル高が進行し、輸出関連株への買いも後押しされた。
利益確定売りで上値の重い展開に
一方で、前日に1,000円超の大幅上昇を記録していた反動から、利益確定の売りが目立った。パウエル米FRB議長が12月の追加利下げに慎重な姿勢を示したこともあり、上値追いは限定的となった。割高感のある銘柄には調整売りが出るなど、相場全体としては方向感を欠いた動きとなった。
米株高の流れ受け、東京市場で半導体株が続伸
業種別では、非鉄金属や鉱業、電気・ガスなどが上昇した一方で、陸運や空運、情報通信が軟調だった。個別銘柄ではNECが米企業買収の報道を受けて大幅高となり、レーザーテックも年初来高値を更新した。TOPIXは3300.79ポイント、東証プライム市場の売買代金は10兆円超と過去最高を記録した。
市場関係者「年末に向け調整も視野」
市場では、株価が高値圏にあることから「年末にかけてリバランスの売りが出る可能性もある」との見方が出ている。もっとも、押し目買いの姿勢は根強く、買い遅れた投資家の資金が下値を支える展開が続くとみられている。
