万博閉幕後の観光需要を見据えた新たな施策
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)を運営するユー・エス・ジェイは、大阪市へのふるさと納税の返礼品として入場券を提供する取り組みを開始した。大阪・関西万博の終了後も観光需要を維持することを目的とし、地域経済の活性化を図る狙いがある。USJがふるさと納税制度を通じてチケットを返礼品とするのは初めての事例となる。
寄付額4万円で1日券、複数パターンを用意
寄付の受け付けは2025年12月31日までで、ふるさと納税仲介サイト「ふるなび」を通じて行われる。4万円の寄付で大人用1日券が受け取れるほか、午後3時以降の入場が可能な「トワイライトパス」など、複数の選択肢が用意された。これらの入場券は2026年1月から8月31日まで利用可能とされている。
万博後の観光回復と地域経済への波及を狙う
この施策は、2025年の大阪・関西万博閉幕後に観光客が減少することを見据え、来場者を呼び込む誘因として位置付けられている。大阪市にとっても、都市ブランドを高めるとともに、地域経済の持続的な成長を後押しする狙いがある。USJは関西を代表する観光拠点として、国内外の観光客を引き寄せる重要な役割を担う。
ふるさと納税制度の多様化が進む
今回のUSJチケットの導入は、自治体間で競争が激化するふるさと納税返礼品の新たな形を示すものとみられている。これまで地域特産品が中心だった返礼品に、レジャー体験型の選択肢が加わることで、寄付者層の拡大にもつながる可能性がある。特に都市型観光地を抱える自治体にとって、こうした試みは寄付促進の新たなモデルとなる。
今後の提供継続は未定、反響次第で判断へ
USJの運営会社によると、今回の返礼品提供は期間限定であり、来年度以降の実施は未定とされている。初回の反響をもとに、継続や内容の見直しが検討される見通しだ。地域観光と企業の協働による新しい寄付モデルとして、他自治体や観光施設にも波及する可能性がある。
