経済指標注視し「脱却」時期を慎重判断
高市早苗首相は11日の衆院予算委員会で、デフレ脱却宣言の発出を目指す方針を明らかにした。物価が持続的に下落する状況を完全に脱したとは言えないとの認識を示し、「物価は上昇を続けているが、脱却とは断定できない」と述べた。宣言の判断にあたっては、物価動向や賃金上昇の持続性を総合的に考慮する方針を示した。
内閣と日銀の連携強化を表明
高市首相は、経済情勢の認識を巡って日本銀行との意見のずれを指摘されたことに対し、「内閣と日銀でしっかりコミュニケーションを取り、整合性を確保する」と答弁した。金融政策と財政政策の調和を重視し、「経済政策全体への責任は内閣が負う」と強調した。
物価高対策に重点 補正予算規模に言及
政府が策定を進める2025年度補正予算案について、首相は「国民生活を少しでも楽にするという意味から、それなりの規模を想定している」と述べ、物価高を踏まえた支援策を盛り込む考えを示した。高市政権は年末の取りまとめを目指し、生活支援と成長投資を両立させる方針だ。
公明党提案に「消費税ゼロ化」意欲示す
公明党の岡本三成政調会長が提案した政府系ファンド構想に対し、首相は「恒久財源として年5兆円規模が生まれるなら、食料品への消費税をゼロにしたい」と述べた。財源の活用について具体的な施策に言及した形で、物価高対策を最重要課題に据える姿勢を明確にした。
政治資金問題と買春処罰強化にも言及
一方、自民党派閥の政治資金問題については「決着済みではない」として謝罪し、「政治への信頼を損ねた」と述べた。また、売買春の買春側の処罰については、平口法相に検討を指示。社会的課題への対応強化を進める意向を示した。
