改革合意の初協議が国会で始まる
12日、自民党と日本維新の会は、連立政権合意書に盛り込まれた衆院議員定数1割削減をめぐる初の協議を国会で行った。議論の進め方や今後の会合日程を確認し、17日に論点整理を行うことを決定した。自民側の加藤勝信前財務相は「国会会期を意識しながら議論を急ぐ」と述べ、維新側の浦野靖人議員も「丁寧に進めたい」と応じた。
連立の試練となる焦点
維新はこの削減を「改革のセンターピン」と位置付け、約束の履行を求めている。だが自民内には、比例代表削減案に対して「少数意見が切り捨てられる」との懸念が根強く、温度差は埋まっていない。連立発足後最初の難題として、両党間の神経戦が続く。
自民内で政治改革議論が始動
自民党は同日、政治制度改革本部の初会合を党本部で開催した。加藤氏を本部長とし、定数削減や選挙制度、政治資金問題を議論する複数の下部組織を設置する方針を確認。加藤氏は「早急に結論を得なければならない」と述べ、党内での議論を加速させる姿勢を見せた。
各党合意を重視する姿勢も
この問題では、鈴木俊一幹事長と立憲民主党の安住淳幹事長が会談し、「定数削減を政局化させず、各会派の合意を得ながら進める」と確認した。安住氏は「2党だけで決めるものではない」と強調し、超党派での議論を呼びかけた。自民は慎重姿勢を維持しつつも、政権合意の履行に向けて一歩を踏み出した形だ。
行方を左右する今後の協議
衆院定数465議席のうち約50議席を減らす法案の具体化には、制度設計や地域配分の見直しといった課題が山積している。維新幹部は「自民はぎりぎりにならないと動かない」と警戒を解かず、協議の行方が今後の政権運営を大きく左右する見通しだ。
