東京市場で急速に売りが拡大した状況が判明
18日の東京株式市場では、売り注文が主力株に集中し、指数全体が急速に下押しされた。日経平均株価は取引開始直後から軟調な展開となり、午前の段階で節目の5万円を割り込んだ。その後も買い戻しは限定的で、終値は前日比1,600円超安の4万8,702円となった。米国株の下落を受け、投資家の警戒感が急速に強まったことが背景にある。市場では、米国の利下げ観測が後退したとの見方が広がり、リスク資産に慎重な姿勢が強まった。
米国市場の調整局面が国内株価に与えた影響
前日の米国株市場ではNYダウが500ドルを超えて下落し、半導体関連株を中心に売りが優勢となった。米エヌビディアの決算発表を控えて持ち高調整の売りが増加したことが、東京市場にも波及した。特にテクノロジー関連株は値動きが大きく、東京市場でも半導体や機械などの分野で下げが目立った。投資家の間では、米国発のリスクオフの流れが続いているとの認識が広がり、幅広い銘柄に売りがかさんだ。
国内金利急伸が相場全体の重荷となり主力銘柄に下押し圧力が発生
日本の債券市場では、長期金利が一段と上昇し、超長期国債の利回りが高水準を付けた。財政支出拡大への懸念が高まり、日本国債は売り圧力が強まった。新発40年債の利回りは過去最高を更新し、新発20年債も20年以上ぶりの水準まで上昇した。金利上昇は企業の資金調達への影響が意識され、銀行や保険など金融関連を含む主力株にも売りが波及した。市場では、財政運営への不安定さが広く認識され、投資心理を冷やした。
円相場の急速な変動が輸入コストの課題を示したことが判明
外国為替市場では円安が進み、1ドル=155円台前半を中心に推移した。一時155円38銭の水準となり、2月以来の安値を更新した場面もあった。円安は輸出企業の収益に追い風となりやすいが、国内では輸入コスト増加による消費への負担が意識され、株価の押し上げ効果は限定的となった。為替市場では高市政権の財政姿勢に対する警戒感も浮上し、円安基調の継続が改めて意識された。午後の取引では利益確定の動きも重なり、円相場の振れ幅が大きくなった。
業種別の全面安が示す市場の弱含みの広がり
東証33業種はすべて下落し、非鉄金属や電気機器、機械、情報通信などが下げを主導した。主力株の下落が指数の押し下げに直結し、特にソフトバンクグループやフジクラ、レーザーテックなど売買代金上位の銘柄で値下がりが目立った。反面、鉄道などディフェンシブ色の強い一部では底堅さもみられたものの、全体の流れを変えるには至らなかった。個別株ではキオクシアホールディングスが大幅に売られ、国内株式市場全体の弱さが鮮明となった。
