イスラエル発表が情勢を一変
イスラエル政府は3月17日、イラン指導部に近いラリジャニ氏を攻撃で殺害したと明らかにした。発表したのはカッツ国防相で、16日夜からの作戦により、治安維持に関わる民兵組織バシジのソレイマニ司令官も死亡したとしている。イランの政策中枢に近い人物の死亡が公表されたことで、軍事衝突の段階がさらに引き上げられた形となった。
国防と外交を担った保守派重鎮
ラリジャニ氏は、イランの最高安全保障委員会で事務局長を務め、国防と外交の全般を取りまとめる立場にあった。これに先立ち、革命防衛隊幹部、国会議長、文化・イスラム指導相などを歴任し、保守派の中核として存在感を保ってきた。単なる高官ではなく、国家の安全保障判断に直接関わる人物であった点が、今回の発表の重みを際立たせている。
ハメネイ師死後の体制で存在感
イスラエル側は、ラリジャニ氏をハメネイ師殺害後の最重要人物と位置づけた。軍報道官は、同氏が戦時下のイランで実質的な権限を握っていたと説明し、体制運営の要だったと強調した。報道によれば、最高指導者の後継に選ばれたモジタバ・ハメネイ師を支えながら、革命防衛隊と協力して革命体制の維持を図る中心軸だったとされる。
米国の対応と過去の経緯
ラリジャニ氏をめぐっては、米国務省も情報提供に対し最大1000万ドル、日本円で約16億円の報奨金を提示していた。米国にとっても重要な監視対象だったことがうかがえる。さらに、ハメネイ師は交戦開始直前、自身が標的になる事態を想定し、信頼するラリジャニ氏に対応を任せていたと報じられており、同氏が指導部内で特別な位置にあったことが改めて示された。
イラン外相が国連に非難要請
一方、イランのアラグチ外相は17日、グテーレス国連事務総長と電話会談を行ったとSNSで公表した。その中で、米国とイスラエルの軍事行動は国連憲章に明白に反すると訴え、国連には侵略を非難し責任を問う義務があると主張した。さらに、ホルムズ海峡での混乱も米国とイスラエルの軍事行動に起因すると述べ、平和と安全を重視する各国や国際機関に対し、軍事侵攻の終結要求を強めるよう呼びかけた。イラン側の正式な死亡確認は出ていないが、外交面での対抗姿勢はすでに鮮明になっている。
