北京会談で中露連携の強化を確認
中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領は5月20日、北京の人民大会堂で会談した。両首脳は会談後、戦略的協力関係を一段と強める共同声明をまとめ、中露の結束を内外に示した。会談では、国際秩序のあり方や中東情勢、エネルギー供給、サプライチェーンの安定などが主要な議題となった。
プーチン氏は5月19日深夜に北京へ到着し、翌20日午前には人民大会堂前で歓迎式典に臨んだ。会談は、中国とロシアが国際情勢の変化を背景に協調姿勢を強める場となった。双方は、長期的な視点から両国関係を発展させる方針を確認した。
米欧主導の秩序に対抗姿勢を表明
習氏は会談で、現在の国際情勢について、一方的な覇権が広がっているとの認識を示した。その上で、中露両国が戦略的、長期的な観点から、より公正で合理的な国際秩序の形成を進める必要があると述べた。これは、米欧を中心としてきた国際秩序への対抗姿勢を示すものとなった。
両首脳は、世界の多極化と新たな国際関係に関する共同宣言にも署名した。共同宣言では、一部の国が世界を統制しようとする試みは失敗したとの立場を示した。中露は、国際社会の枠組みが大きく変わる中で、両国の連携を国際秩序再編の軸に据える考えを明確にした。
基本条約延長で関係深化を演出
会談後の共同記者発表で、習氏は中露関係が新たな出発点に入ったと述べた。プーチン氏も、両国関係は前例のない水準に達し、発展を続けていると応じた。双方は、7月に署名から25年を迎える中露善隣友好協力条約の延長でも一致した。
この条約は、中露関係の基礎となる枠組みとして位置付けられている。両首脳が延長で合意したことは、政治、外交、安全保障、経済の各分野で協力を継続する姿勢を示すものだ。ウクライナや台湾など、双方が重視する課題についても互いに支持を確認した。
日本の防衛力強化にも共同で反発
共同声明では、日本の防衛力強化を名指しで取り上げ、「再軍備の放棄」を求めた。習氏は記者発表で、ファシズムと軍国主義を復活させる挑発行為に反対すると述べた。中露は対日関係でも共同歩調を示し、安全保障を巡る立場を共有した。
この発言は、日本が防衛力を強化する動きを念頭に置いたものだ。中露は、国際秩序や地域安全保障を巡る主張に加え、対日認識でも一致点を強調した。共同声明を通じて、両国はアジア太平洋地域の安全保障問題でも連携を深める姿勢を示した。
中東情勢と資源供給の安定を協議
両首脳は、イラン情勢を含む中東問題についても意見を交わした。習氏は、戦闘の早期終結がエネルギー供給の安定、サプライチェーンの円滑化、国際貿易秩序への影響軽減につながるとの認識を示した。和平の重要性を強調し、緊張緩和を求めた。
プーチン氏は、ロシアが信頼できる資源供給国であると述べ、中国への安定供給を約束した。また、11月に中国・深圳で開かれるアジア太平洋経済協力会議に出席する意向を示し、習氏に来年のロシア訪問を要請した。中露は首脳間の往来を通じ、協力関係をさらに維持する構えを示した。
