米軍追加攻撃で緊張が一段と高まる局面に
米中央軍は10日、イラン国内の複数標的に対し、自衛目的の追加攻撃を実施したと発表した。米軍によるイラン攻撃は前日に続くもので、イランの監視施設や通信施設、防空関連施設などが対象になったとされる。攻撃は日本時間11日朝に始まり、約4時間後に完了した。
米側は、イランによる継続的な攻撃への対応だと説明している。複数の米メディアは、イラン南部の防空施設や弾薬庫も標的に含まれたと伝えた。米軍の行動により、戦闘終結に向けた協議が停滞する中で、軍事的緊張はさらに高まった。
トランプ氏が合意署名を強く要求する展開に
トランプ大統領は10日、ホワイトハウスで記者団に対し、イランへの攻撃を続ける考えを示した。大統領は、米国とイランが合意に近づいていたにもかかわらず、イラン側が時間を稼いでいると批判した。さらに、イランが核兵器を保有することは認められないと強調し、合意文書への署名を迫った。
米FOXニュースによると、トランプ氏は攻撃に巡航ミサイル「トマホーク」49発が使われたと説明した。イラン側から攻撃停止を求める連絡があったとも主張した。米主要ニュースサイトは、米軍の攻撃には協議で優位を確保する意図があり、合意の可能性を残すよう調整されていたと伝えている。
イランは米軍基地攻撃と海峡封鎖措置を主張
イランの革命防衛隊は11日、米軍の攻撃への報復として、クウェートやバーレーンにある米軍基地を攻撃したと主張した。さらに、ヨルダンにある米軍戦闘機の拠点や重要施設を弾道ミサイルで攻撃し、多数の戦闘機などを破壊したと発表した。
一方、ヨルダン軍は、イランから発射された20発のミサイルを迎撃し、被害はなかったとしている。米当局者も、イランによるミサイルや無人機のほぼすべてを迎撃したと説明し、米軍関係者の死傷者や施設への深刻な被害は確認されていないとした。イラン軍中央司令部はホルムズ海峡の封鎖も発表し、緊張は海上交通にも及んだ。
周辺国や国際機関にも影響が広がる情勢に
バーレーン内務省は11日、イランの攻撃により子ども1人が軽傷を負ったと明らかにした。迎撃された無人機の破片が落下し、首都マナマなどで住宅や車両にも被害が出たという。イラン国内でも、11日未明の攻撃によりテヘランとホルムズガンで計5人がけがをしたと現地メディアが伝えた。
国連安全保障理事会では、中東情勢をめぐる会合が開かれた。イランの国連大使は、自国の行動は国連憲章に基づく自衛権の行使だと主張した。これに対し、グテーレス事務総長は攻撃の拡大に深い懸念を示し、紛争の全面的な再燃を避けるため、すべての当事者に停戦の維持を求めた。
停戦維持へ軍事圧力と協議継続が焦点となる
米国とイランは、仲介国を通じて戦闘終結に向けた協議を続けている。しかし、米側はイランからの回答が遅れているとして不満を強めており、軍事行動を通じて圧力を高めている。ヘグセス国防長官も、交渉条件を整えるために重要施設を攻撃する姿勢を示した。
イランのペゼシュキアン大統領は、重要インフラへの攻撃を示唆する米側の発言について、行き詰まりの表れだと批判した。日本政府は停戦維持を強く望むとし、ホルムズ海峡の航行安全と日本関係船舶の安全確保に取り組む考えを示した。今後は、攻撃の応酬を抑えながら協議を継続できるかが最大の焦点となる。
