調査結果が示した需給緩和の実態が鮮明に出る
コメの需給をめぐり、在庫の増加が価格見通しに強く影響している。米穀安定供給確保支援機構が7月6日に発表した6月分の調査では、向こう3カ月の価格見通し指数が19に下がった。前月から4ポイントの低下で、過去最低だった2014年8月と同じ水準となった。
この指数は、取引関係者が今後の価格をどう見ているかを示すものだ。50が横ばいを表し、0に近いほど価格が下がるとの見方が強いことを意味する。6月分の結果は、業界内で値下がり方向の判断が続いていることを示している。
民間在庫223万トンの重みが価格を左右する
価格見通しの背景には、民間在庫の大幅な増加がある。農林水産省によると、5月末時点の民間在庫量は223万トンだった。前年同月より74万トン多く、2014年と並ぶ過去最大水準となっている。
昨年産のコメの供給量が前年より増えたことにより、在庫水準が大きく上昇したとみられている。調査で価格判断の材料として国内在庫を挙げた割合は58%に達した。前月の52%から上がっており、在庫の多さが市場心理に与える影響は一段と強まっている。
取引関係者に広がる値下がり判断の背景を探る
調査対象は、生産者、集荷業者、卸売業者、小売業者、外食業者など幅広い。回答は135件で、コメの流通に関わる関係者の見方が反映されている。価格の現状や今後の需給に対する判断が、指数として示された。
現状価格を示す指数は54となり、前月から8ポイント低下した。これで7カ月連続の低下となり、足元の価格についても強い上昇感は薄れている。先行きだけでなく、現在の価格認識にも変化が出ている点が今回の調査の特徴だ。
2014年水準に並んだ先行き指数の意味を読む
向こう3カ月の価格見通し指数が19となったことは、過去の低水準と比較しても大きな意味を持つ。2014年8月は豊作によって在庫水準が高く、価格の下落観測が強まった時期だった。今回の指数は、その時期と同じ水準に並んだ。
先行き指数は50を下回る状態が9カ月連続で続いている。これは、価格が横ばいではなく下方向に向かうとの見方が長く続いていることを示す。今回さらに指数が下がったことで、コメの需給緩和を意識した判断が一層鮮明になった。
在庫増が価格形成を左右する局面が続く見通し
今回の調査結果からは、コメ価格の先行きが在庫水準に大きく左右されている構図が読み取れる。民間在庫が過去最大水準にあるなか、取引関係者は今後も価格が下がる方向を見込んでいる。コメ余りとされる状態が、米価判断の中心にある。
新米が出回る時期には、供給量の増加がさらに意識される。高い在庫水準が続くなかで、価格の下落圧力は調査結果にも表れている。市場では、在庫の消化が進むかどうかが今後の価格動向を見定めるうえで重要な要素となる。
