成長率以上に鮮明となる経済の偏り
中国の2026年4~6月期の実質国内総生産は前年同期比4.3%増となり、1~3月期の5.0%増から減速した。市場予想の4.5%増を下回り、政府が掲げる通年目標「4.5~5%」の下限にも届かなかった。成長率は2022年10~12月期以来の低水準となった。
今回の統計では、成長の速度だけでなく、その内容の偏りが改めて示された。AI関連製品や輸出に支えられた製造部門が堅調に推移する一方、家計消費や設備投資、不動産開発は低迷した。供給力が維持されても、国内需要が十分に伴わない構造が強まっている。
AI関連製造と外需が生産を支援
6月の鉱工業生産は前年同月比5.3%増となり、5月の4.5%増から加速した。市場予想の4.7%増を上回り、3カ月ぶりの高い伸びとなった。世界的なAI投資を背景に、集積回路などの関連製品が輸出と生産を押し上げた。
6月のドル建て輸出も前年同月比27.0%増と、4カ月ぶりの高い伸びを記録した。ただし、米国の小売業者が関税引き上げに備え、年末商戦向けの商品を早期に発注したことも増加要因となった。輸出の伸びには、需要の前倒しが含まれている。
消費改善も家計の慎重姿勢続く
6月の小売売上高は前年同月比1.0%増となり、3年超ぶりの減少を記録した5月から持ち直した。通信機器、文化・事務用品、化粧品、酒類などが回復をけん引した。市場予想の減少に反してプラスとなった点では、一定の改善が確認された。
しかし、1~6月期の小売売上高は1.3%増にとどまり、1~3月期の2.4%増を下回った。自動車など高額な耐久消費財の販売は弱く、家計の支出意欲は力強さを欠いた。将来への不安から貯蓄を優先する動きが続き、消費の持続的な回復を妨げている。
民間から国有部門まで投資縮小
1~6月期の固定資産投資は前年同期比5.7%減となり、市場予想の4.9%減を上回る落ち込みとなった。1~5月期の4.1%減から悪化し、投資活動の減速が明確になった。民間投資は8.5%減少し、国有部門の投資も2.3%減となった。
財政支出の伸び悩みを受け、インフラ投資も2.4%減少した。不動産開発投資は18.0%減まで落ち込み、1~3月期の11.2%減からマイナス幅が大きく広がった。住宅価格の下落も続いており、不動産市場の調整が企業と家計の双方に影響を及ぼしている。
内需を強める政策設計が重要に
中国当局は消費促進策を進めているが、買い替え補助や消費者向けの優遇措置だけでは、経済構造の修正には限界があるとの指摘が出ている。社会保障、医療、年金制度などを通じて家計の不安を軽減しなければ、消費の回復は緩やかな状態にとどまるとみられている。
輸出が成長を支えている現状では、中国政府が大規模な刺激策に直ちに踏み切る可能性は低いとの見方もある。外需が鈍化した場合には、年間成長目標を維持するため、内需への追加支援が必要になる。7月下旬の政治局会議では、消費と投資の弱さにどのような対策を示すかが焦点となる。
