原油価格下落を受け円相場が上昇
7月27日の東京外国為替市場では、円がドルに対して小幅に上昇した。午後5時時点の相場は1ドル=163円52~53銭で、前週末の7月24日と比べて24銭の円高ドル安となった。原油先物価格の値下がりを背景に、これまで買われていたドルを売り、円を買い直す取引が優勢となった。
同日の取引では、朝方からドルに売り圧力がかかった。ドルは一時163円46銭まで下落した後、午後に入ると163円台半ばを中心に推移した。円高方向への動きは限定的だったものの、前週まで続いた急速なドル高円安の流れはいったん弱まった。
中東情勢の緊張緩和が取引に影響
為替市場の動きに影響を与えたのは、中東情勢を巡る警戒感の後退だった。米軍によるイランへの攻撃が停止されたことを受け、市場では軍事衝突が一段と拡大するとの懸念が和らいだ。安全性が高いとされるドルを積極的に保有する必要性が低下し、ドル売りにつながった。
地政学的な緊張が強まる局面では、基軸通貨であるドルに資金が集まりやすい。今回は情勢悪化への不安が薄れたことで、それまでのドル買いの一部を解消する動きが出た。中東を巡る報道が、引き続き為替相場を左右する要因となっている。
原油先物は1バレル83ドル台へ下落
国際的な原油先物価格は27日、1バレル=83ドル台まで値下がりした。中東での供給不安が弱まり、原油を買い進めていた投資家が持ち高を縮小したことが背景にある。原油価格の低下に伴い、資源取引などに使われるドルへの需要も後退した。
日本は原油の多くを海外から輸入しており、原油高は輸入代金の増加を通じて円売り要因となる。反対に価格が下がれば、ドルを調達する必要性が弱まり、円相場を支える材料となる。27日は中東情勢と原油価格の双方が、円の買い戻しを促した。
ユーロに対しても円は小幅上昇
円はユーロに対しても値上がりした。午後5時時点では1ユーロ=186円34~38銭となり、7月24日と比べて17銭の円高ユーロ安だった。ユーロの対ドル相場は1ユーロ=1.1395~97ドルで推移した。
午後3時時点ではドルが163円57~61銭、ユーロが186円59~60銭だった。その後も円は大きく方向を変えず、限られた値幅での取引が続いた。中東情勢への懸念後退が円買いを促した一方、重要な金融政策日程を控えた慎重姿勢が値動きを抑えた。
日米中銀会合を控え相場は慎重姿勢
市場参加者の関心は、今週開かれる日米の金融政策決定会合に移っている。日銀が国内の経済や物価についてどのような見解を示すかが、円相場の方向を判断する材料となる。米国では30日早朝に米連邦公開市場委員会の結果が明らかになる予定で、政策内容や今後の方向性が注視されている。
日本国内では、消費税減税を巡る議論も投資家の関心を集める。財政政策が経済や物価、日銀の政策運営に与える影響を見極めようとする動きがあるためだ。当面は中東情勢と原油価格に加え、日米中銀が示す政策判断が円相場を左右する構図となる。
