米軍が自律戦司令部を新設へ、ドローンとロボット運用を統合し2027年10月発足目指す
米軍が自律型兵器を担う新司令部を創設へ
米国のヘグセス国防長官は9月30日、バージニア州クアンティコの海兵隊基地で演説し、ドローンやロボットなどを扱う「自律戦司令部(AUTOWARCOM)」を新設する方針を発表した。米軍全体に自律型システムを広げ、開発から配備までの体制を強化することが柱となる。
新司令部は四つ星将官が率いる統合軍司令部として設置され、2027年10月までの発足を目指す。新たな軍種を設けるのではなく、サイバー軍や輸送軍、戦略軍、特殊作戦軍などと同様に、複数の軍種を横断して部隊を支える恒久的な組織となる。
分散していたドローン運用を中央で一元管理
自律戦司令部が担うのは、無人機の開発だけではない。自律システムやロボット技術を米軍全体に展開し、海外での作戦を含む実戦での運用を監督、調整する役割を持つ。従来は複数の組織が個別に進めてきた調達や開発についても、より強力な組織の下に集約する方向となる。
ヘグセス氏は、高度な兵器によって標的を発見し決定的な攻撃につなげる能力とともに、大量の低コストなドローンを継続的に投入する態勢が必要だとの考えを示した。AIを使った標的選定などを含む無人システムの戦闘についても、戦場における大きな変革と位置付けた。
低コスト無人機を大量投入する戦闘態勢を重視
米軍はドローンだけでなく、敵側の無人機を迎撃する対ドローン技術についても重視している。イランの「シャヘド」を基にした攻撃型無人機を運用する「タスクフォース・スコーピオン」の配備も、その取り組みの一つとなっている。
2月28日に始まった対イラン戦争では、中東に展開する米軍が、イランによる低コストの片道攻撃型ドローンの大量投入を阻止することに苦戦している。こうした状況の中、価格の高い装備だけに依存せず、多数の自律型兵器を運用して継続的に相手へ圧力を加える能力が重視されている。
自律戦関連組織に546億ドルの予算を要求
国防総省は、自律型兵器をめぐる組織や資金面の強化も進めている。ドローン開発の管理と集約を担う国防自律戦グループについて、2027年度予算で546億ドルを要求している。2026年度の約2億2600万ドルから大幅な増額となる。
一方、546億ドルの具体的な使途については、現時点で詳しい説明は示されていない。新たな自律戦司令部には人員や予算、調達に関する権限を持たせ、自律システム分野を担当する将校や下士官らの専門的なキャリア形成につなげる構想も示されている。
技術と組織の両面で米軍の戦闘体制を再編
今回の計画は、無人機を個別の装備として増やすだけではなく、自律型兵器を米軍の組織体系に組み込む動きとなる。四つ星将官が率いる司令部を設置することで、開発、調達、配備、実際の作戦までを横断的に扱う体制を構築する。
ヘグセス氏は同日の演説で、米軍の将官を20%削減したとも説明し、組織の再編を進めていることを強調した。自律戦司令部の設置と無人兵器への大規模な資金投入を通じ、米国はドローン、AI、ロボットを軍事作戦の中心的な能力として拡大する方針を明確にした。
