米国の制裁警告下で訪問計画が継続 インド政府高官がロシア訪問を予定通り実施する方針を維持していることが確認された。ドバル国家安全保障顧問は数日中にロシアを訪れ、続いてジャイシャンカル外相も今月中に訪問する予定だ。これは、トランプ米大統領がロシア産原油購入を理由にインドへの関税を大幅に引き上げると警告した直後の動きである。 年次協議として計画されていた訪問 インド当局によると、今回の訪問は長期的に計画されていた年次協議の一環であると説明されている。訪問ではロシア大統領ウラジーミル・プーチンのインド訪問準備などが議題となる見通しだ。インド政府は訪問を取りやめる意向を示さず、外交路線を堅持する姿勢を鮮明にしている。 トランプ氏、インド製品への関税を追加引き上げ トランプ大統領は5日、CNBCの取材に応じ、インド製品への関税を現行の25%からさらに引き上げる方針を示した。ロシア産原油の輸入を続けるインドを「戦争を助長している」と厳しく批判した一方で、引き上げ幅については具体的な数値を明らかにしなかった。 インドが米国と欧州を批判 インド政府は声明で「ロシアとの取引を続けているのはインドだけではない」と指摘し、米国やEUが同様にロシアとの貿易を行っていると反論した。さらに「インドのみを標的にするのは不公平だ」との見解を強調し、国際社会での二重基準を批判した。 ロシアとの連携をめぐる焦点 モディ首相は昨年10月にロシアを訪問しプーチン大統領と会談しており、両国は緊密な関係を続けている。年内に予定されるプーチン大統領のインド訪問もあり、米国との関係が緊張する中でインド外交のバランスが注目されている。
トランプ政権が停戦合意を期限付きで要求 アメリカのトランプ大統領は7月14日、ロシアが50日以内にウクライナとの和平に応じなければ制裁を実施する方針を発表した。さらに、NATOを通じてウクライナに先端兵器を供与すると表明し、軍事的支援を強化する姿勢を示した。これまで抑制的だった同政権の対応からの転換であり、国際社会に衝撃を与えた。 ロシア外務省は「脅し」として反発 この発言に対して、ロシア外務省のザハロワ報道官は17日、「ロシアは脅しを受け入れない」と断言した。米国による追加制裁の可能性についても「今やニュースではない」と述べ、アメリカの措置がウクライナでの戦闘継続を助長するものだと批判した。外交的な対話ではなく力による解決を選ぶ姿勢だとして反発を強めている。 モスクワ攻撃可能性を問う発言が波紋 英フィナンシャル・タイムズの報道によれば、トランプ氏は7月4日のゼレンスキー大統領との電話会談で、モスクワやサンクトペテルブルクを攻撃可能かと質問したという。この発言は外交的な波紋を広げ、核保有国であるロシアとの緊張をさらに高める結果となった。 ホワイトハウスは釈明し緊張緩和を図る この件に関し、ホワイトハウスのレビット報道官は「トランプ氏は単に質問しただけであり、さらなる殺りくを推奨したわけではない」と釈明した。また、トランプ大統領自身も「長距離兵器の供与は考えていない」と述べ、ゼレンスキー氏に対しても「モスクワを標的にすべきではない」と諭す発言をしていたことが伝えられている。 米ロ関係は緊張状態のまま推移か 今回のやり取りは、米ロ関係の一層の悪化を象徴するものとなっている。トランプ政権の対応は一貫性に欠ける面もあり、対話による和平への道筋が不透明な状況が続いている。ロシア側の態度も強硬であり、今後の外交的調整は一段と困難を極める見通しだ。
政治的シグナルとしての訪英が判明 ウクライナのゼレンスキー大統領は6月23日、英国に到着した。今回の訪問は単なる外交儀礼ではなく、軍事的・政治的なメッセージ性が強い。英国側との協議では、防衛支援の強化やロシアへの新たな圧力措置が主な議題となる見通し。ゼレンスキー氏は到着後、自身のSNSで「戦争終結に向けた強力な対応策を協議する」と発信している。 防衛協力深化の意義が浮上 ゼレンスキー大統領の報道官によれば、今回の訪問の中心的な目的は「防衛協力の深化」にある。英国はこれまでもウクライナ軍の訓練や装備供与を行ってきたが、さらなる協力が期待される。とくに長期的な防衛体制構築や技術支援の分野での連携が焦点となりそうだ。 英国要人との会談日程が確定 同大統領はチャールズ国王、スターマー首相、上下両院の議長との会談を予定している。これにより、軍事協力にとどまらず、立法・象徴両面からの支持獲得も狙う。また、外交的にも英国との関係強化を示す場となることが見込まれる。ロシアへの対抗姿勢を国際社会に明示する意味合いも含まれている。 訓練兵やシンクタンクとの接触が予定 訪英中、ゼレンスキー氏は英国で訓練を受けているウクライナ兵士と面会するほか、政策研究機関の関係者とも意見交換を行う。現地の専門家との対話を通じ、ウクライナに対する実務的支援や助言を引き出す狙いがある。兵士との交流は士気向上にもつながる。 ロシア攻撃の被害が同時発生 同日、ウクライナの首都キーウとその周辺がロシアのドローンとミサイルによる攻撃を受け、7人が死亡、多数が負傷したことが明らかになった。訪英のタイミングと重なったこの攻撃は、ゼレンスキー大統領の防衛強化への動機を裏付けるものとなっている。
停戦合意の実効性に疑問が生じる事態に ロシア国防省は2025年3月26日、ウクライナ軍が国内のエネルギー関連施設を攻撃したと発表した。ウクライナ側はこの主張を全面的に否定し、逆にロシア軍が合意を破って攻撃を続けていると非難している。双方の対立が激化する中、停戦合意の実効性が問われる状況となっている。 ロシアがウクライナのエネルギー施設攻撃を主張 ロシア国防省は25日から26日にかけて、ウクライナ軍がクリミア半島、西部ブリャンスク州、クルスク州にあるエネルギー関連施設を無人機で攻撃したと発表。ロシア側は「ゼレンスキー大統領がエネルギー関連施設への攻撃を停止することに合意したにもかかわらず、攻撃が続いている」と主張し、ウクライナを強く非難した。 さらに、ロシアは「ウクライナはロシアとアメリカの合意を妨害しようとしている」と指摘し、停戦合意の維持が難しくなっていることを示唆した。 ウクライナ側は攻撃を全面否定 一方、ウクライナ政府はロシアの発表を全面的に否定した。ロイター通信によると、ウクライナ側は「25日から26日にかけて、ロシアが主張するような攻撃は行っていない」と述べた。 さらに、ウクライナ政府高官は「ロシア軍は3月18日以降、少なくとも8か所のエネルギー関連施設を攻撃している」と主張し、ロシア側が合意を破っていると指摘した。これにより、両国が互いに合意違反を非難し合う状況となっている。 停戦合意の維持は困難に ロシア大統領府は、エネルギー施設への攻撃停止の合意が3月18日から30日間有効であると発表していた。しかし、合意が遵守されなかった場合、ロシア側は撤回の可能性を示唆している。 これに対し、アメリカのホワイトハウスは3月25日、ロシア・ウクライナ双方と合意の実施に向けた具体的な措置を策定すると発表。しかし、停戦合意の履行が困難な状況に陥っており、実効性が問われている。 戦況の行方と停戦合意の行く末 今回の攻撃をめぐる対立は、ウクライナ戦争の行方に大きな影響を与える可能性がある。停戦合意が遵守されるかどうかが、今後の戦局に大きく関わるとみられる。アメリカを含む国際社会の介入がどのように進むのか、引き続き注目される。
黒海の航行安全を確保する新たな合意 アメリカ政府は25日、サウジアラビアでの協議を経て、ロシアとウクライナの双方と黒海の安全な航行を確保し、武力を行使しないことで合意に達したと発表した。この合意には、商業船舶の軍事利用禁止やエネルギー施設への攻撃回避も含まれており、黒海地域の安定化を目指すものとなる。さらに、アメリカはロシアの農産物や肥料の輸出回復、捕虜交換、強制移住させられたウクライナの子どもたちの帰還支援も進める方針を示した。 ロシアの条件付き合意と貿易制限の要求 ロシア大統領府も黒海での航行安全確保と武力不行使の合意を認めたが、その発効には条件を設けた。特に、貿易金融取引の制限解除や食品・肥料の生産者および輸出業者に対する制裁の撤廃を求めており、これらが解除されるまで合意を履行しない姿勢を示した。ロシアは以前から欧米の制裁が自国の農産物輸出を妨げていると主張しており、今回の交渉でも制裁解除を強く求めている。 ウクライナの警戒と対抗措置の可能性 ウクライナのウメロフ国防相は、黒海東側以外でのロシア艦艇の移動を安全保障上の脅威と見なし、合意の趣旨に反すると強調した。ウクライナ政府はロシアが合意違反とみなされる行動を取った場合、自衛権を行使し、必要に応じた対抗措置を取る方針を示している。黒海地域の緊張は依然として続いており、合意の履行には慎重な監視が求められる。 黒海をめぐる対立の経緯 ロシアの軍事侵攻以来、黒海では激しい攻防が繰り広げられてきた。ウクライナは2022年4月にロシア黒海艦隊の旗艦「モスクワ」を撃沈し、同年7月にはトルコと国連の仲介でウクライナ産農産物の輸出合意を成立させた。しかし、2023年7月にロシアが欧米制裁の影響を理由に合意履行を停止し、黒海の安定は再び揺らいだ。今年3月中旬には、ロシア軍のミサイル攻撃でオデーサ港の穀物輸送船が損傷し、4人が死亡。港湾施設の被害も相次ぎ、黒海をめぐる攻防は現在も続いている。 合意の実行可能性と今後の展望 今回の合意が確実に履行されるかは不透明なままである。ロシアが求める制裁解除が進まなければ、合意の実施が遅れる可能性がある。一方で、ウクライナ側もロシアの行動を厳しく監視し、違反があれば即座に対抗措置を取ると警戒を強めている。黒海の安定化が進むか、あるいは新たな衝突を招くのか、今後の交渉の行方が注目される。
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