国産AI開発を巡る政策方針が明確化 政府は国産AIの研究開発を国家戦略として位置づけ、2026年度から5年間で総額1兆円規模の支援を行う方針を示した。AIの基盤技術を国内で確立することで、国際競争力の強化を図る狙いがある。背景には、AI分野で米国と中国が先行する現状への危機感がある。 新会社設立で基盤モデル開発を推進 来春にも、ソフトバンク を含む複数の企業が共同で新会社を設立する計画が進んでいる。新会社には、AI開発を手がける プリファードネットワークス の技術者など、約100人規模が参加する予定とされる。経済産業省の公募制度を通じ、開発設備や研究環境の整備に対する支援を受ける。 国内最高水準を目指す性能指標 新会社が開発を目指すのは、基盤モデルの性能を示す指標で国内最高水準に達するAIである。開発されたモデルは特定企業に限定せず、日本企業全体に開放される方針とされている。産業分野への幅広い応用を促し、AI活用の裾野拡大を図る。 半導体調達競争への対応策 AIの性能を左右する半導体の確保は、世界的な競争が激化している分野である。価格の高騰も続く中、新会社は政府支援を活用し、必要な量の半導体を安定的に調達する考えを示している。研究開発の継続性を確保するための重要な課題となる。 日本主導のAI開発体制確立が焦点 今回の支援策は、官民が一体となり、日本主導のAI開発体制を築く試みである。基盤モデルの国内開発と共有を通じ、産業競争力の底上げを図ることが最終的な狙いとされている。
米金融政策の思惑が相場に広がる展開 3日の東京株式市場では、米金融政策に関する見方が広がり、投資家の姿勢に変化が生じた。前日のニューヨーク市場では米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測を背景に株価が上昇し、その動きが東京市場にも波及した。海外勢の買いが主力株に入りやすくなり、日経平均株価は取引時間中に5万円を上回る場面が確認された。 主力銘柄の上昇が指数に寄与する動き 東京市場では、アドバンテスト、レーザーテック、ソフトバンクグループなどの半導体関連が相場全体の上昇を牽引した。これらの銘柄は売買代金の上位に並び、市場の中心的な役割を果たした。特にソフトバンクグループの大幅な値上がりは投資家心理を改善し、他の主力株にも買いが及んだ。 国内要因が上値を抑える場面 一方で、国内金利の上昇が続いたことは相場にとって重荷となった。日銀が12月の金融政策決定会合で追加利上げに踏み切る可能性が意識され、銀行株には利益確定売りが増加した。小売りや自動車関連の一部銘柄も軟調で、市場全体の値動きには慎重姿勢が残った。 市場全体では選別的な物色が続く状況 東証プライム市場では、値下がり銘柄が1120に達し、全体の多くを占めた。日経平均が強含む一方で、個別の値動きには差が生まれ、銘柄ごとの強弱が鮮明だった。TOPIXは前日比で小幅に反落し、市場全体としては広範囲に買いが広がった状況ではなかった。 売買動向が示す市場の活性化 東証プライムの売買代金は5兆4222億円と高水準を維持し、先物を中心とした海外勢の動きが相場に影響を与えた。日経平均の終値は前日比561円高の4万9864円で、米株高と利下げ観測が市場を支えた形となった。半導体関連の強さが際立つ一日となり、投資家の関心が集中した。
オフィス向けAI技術活用の方針が判明 ソフトバンクと安川電機は2025年12月1日、AIを搭載したロボットの実用化を共同で進めると正式に公表した。両社は従来の産業用途とは異なり、オフィスのように多数の人が行き交う空間でロボットが自律的に行動できる仕組みの開発を進めたと説明している。今回示された協力体制は、民間企業が抱える業務効率化や人手不足への対応に直結するものとして位置付けられている。これまでロボット導入が難しかった環境での活用を想定し、技術基盤の整備を進めた点が特徴だ。 共同開発ロボの作業生成機能を発表 両社が示した共同開発ロボットは、人が口頭で出す簡潔な指示をAIが読み取り、必要な作業を段階的に生成する仕組みを備える。例えば社内の備品を取りに行く場合、音声から目的を理解したAIが在庫状況を確認し、倉庫のどこに対象物があるかを把握して取得作業まで進める工程を自ら組み立てる。机上の整理や棚からの取り出しなど、複数の作業を連続してこなす点に重点が置かれ、従来型ロボットが苦手としてきた“状況に応じた判断”への対応を重視した設計とされている。これにより、単純作業の支援に加え、オフィス運営の幅広い場面での利用が見込まれている。 フィジカルAIの導入で自律性が向上した影響 両社はロボットが実空間を把握し、周囲の状況に合わせて行動内容を変える「フィジカルAI」の社会実装を協力して進める。従来のロボットは工場の生産ラインなど、変化の少ない環境で同じ作業を繰り返す使用が一般的だった。これに対しオフィスでは、配置や人の動きが常に入れ替わるため、ロボットはリアルタイムの認識と判断を求められる。ソフトバンクは低遅延でのデータ処理技術を提供し、ロボットが受け取る膨大な情報を瞬時に解析することで、安全に作業を進める基盤を支える仕組みを導入した。安川電機は動作精度と耐久性を備えたロボット技術を担い、双方の技術を統合して自律性の高い作業が可能になる体制を整えた。 多様な施設への展開計画を発表 今回示された協業は、オフィスだけでなく病院や学校、商業施設など、広い範囲のサービス領域に応用する方針が掲げられた。両社は、ビル管理システムとロボットを連携させることで、設備の稼働状況や備品の数量などを統合的に把握し、作業内容を自動で調整する仕組みを構築する考えだ。医療機関では物品の搬送や室内整備、学校では備品配置や教室準備といった作業の省力化を視野に入れている。商業施設でもバックヤード業務の支援を想定し、実環境での検証を進める計画を示した。 技術統合が産業に与える波及効果 ロボット技術と情報処理技術を結びつける今回の取り組みは、産業界にも広い影響を及ぼす可能性がある。AIが作業の流れを組み立て、ロボットが精密な動作で実行する構造は、従来の“単一用途型ロボット”の枠を広げるものとなる。安全性の確保や不特定多数との共存といった新しい課題への対応が進むことで、サービス分野でのロボット活用が加速する可能性がある。両社は協業の枠組みを維持しながら、技術開発と社会実装の段階を並行して進める姿勢を表明しており、オフィスを起点とした普及拡大が注目される。
東京で経済界リーダーと会談が実現 トランプ米大統領は10月28日夜、東京・元赤坂の駐日米国大使公邸で、日米の主要企業幹部を招いた夕食会を開いた。出席者には、アップルCEOティム・クック、ソフトバンクグループ会長孫正義、楽天の三木谷浩史社長、東芝の島田太郎社長らが名を連ねた。会合は約2時間にわたり、経済協力と投資促進が中心議題となった。 米国への投資拡大を呼びかけ トランプ氏は開会のあいさつで「皆さんは素晴らしい企業を率いている。米国は皆さんを失望させない」と述べ、対米投資の加速を要請した。米商務長官ラトニック氏は、同日発表された日本企業による投資計画の総額が4900億ドルに達すると説明し、トランプ政権が掲げる「5500億ドル投資目標」の着実な進展を強調した。 トヨタの新工場計画に謝意 関係者によると、トランプ氏は夕食会でトヨタ自動車が全米で100億ドルを投じて新工場を建設する計画を紹介し、「日本企業の米国への貢献に感謝する」と述べた。また、豊田章男会長は米国内生産車の日本導入計画を報告したとみられ、トランプ政権の貿易戦略にも一定の成果が表れた形だ。 ソフトバンクへの感謝表明 トランプ氏はソフトバンクグループの孫正義会長兼社長にも言及し、「本当にありがとう、マサ」と呼びかけた。同社の米テクノロジー分野への巨額投資を歓迎する姿勢を示し、米国の産業基盤強化に期待を寄せた。 経済連携深化への期待 今回の夕食会には経団連の筒井義信会長をはじめ、電機や商社、金融業界のトップら50人超が参加。トランプ氏の滞在中、日米両国は「新たな黄金時代」を掲げる経済パートナーシップを確認しており、今後の企業投資や貿易協定の履行が焦点となる。
英高等法院が訴えを退ける判決を発表 英国ロンドンの高等法院は2025年10月15日、スイスの金融機関クレディ・スイス(現UBS傘下)がソフトバンクグループ(SBG)に対して提起していた訴訟で、原告側の請求を棄却した。訴訟は、2021年に破綻した英グリーンシル・キャピタルをめぐる損失補填を求めるもので、クレディ・スイスはSBGに対して4億4,000万ドル(約660億円)の賠償を請求していた。 グリーンシル破綻が訴訟の発端に グリーンシルは企業間の債権を証券化する金融サービスを手がけ、クレディ・スイスはその関連ファンドを通じて投資家資金を運用していた。しかし2021年3月にグリーンシルが経営破綻し、投資金の多くが回収不能となった。クレディ・スイスはSBGがグリーンシルへの出資や取引を通じて損失に関与したと主張していた。 UBSが訴訟を引き継ぎ審理継続 2023年、経営難に陥ったクレディ・スイスは同業のUBSによる救済買収を受けた。これによりUBSが訴訟を引き継ぎ、SBGに対して法的責任を問う手続きを継続していた。しかし高等法院は、SBGの不正行為を裏付ける根拠が十分でないと判断し、訴えの棄却を決定した。 ソフトバンク「正当性が明確に示された」 判決後、ソフトバンクグループは声明を発表し、「当社は一貫して誠実に行動しており、今回の判決によって事実関係が正しく示された」とコメントした。これに対しUBSは、「判決内容を精査し、今後の対応を検討している」と述べ、関係者の利益を守るために適切な措置を取る意向を示した。 巨額訴訟の帰結が示す企業間リスク管理の課題 今回の判決により、SBGは巨額の賠償請求を免れる結果となった。一方、クレディ・スイスに端を発する一連の混乱は、国際金融市場におけるリスク管理の重要性を浮き彫りにした。金融機関が複雑なサプライチェーン金融に関与する際の監督体制の不備が、改めて問われることになった。
序盤の下落から回復が判明 東京株式市場は24日、日経平均株価が前日比136円65銭高の4万5630円31銭で取引を終え、終値ベースで史上最高値を記録した。取引開始直後は米国株安の影響で売りが先行し、一時200円超の下落を見せた。しかし、下値では押し目買いが入り、その後は上昇基調に転じた。 半導体関連株と電線株の動向が注目 午前中は米国市場でのハイテク株下落を背景に、これまで上昇が顕著だった半導体関連銘柄や電線株に売りが集中した。下げ幅は一時288円にまで拡大したが、午後になると投資家の資金は割安感のある銘柄や出遅れ株に向かい、市場全体の流れが変化した。 ソフトバンクGや任天堂に資金流入 午後の取引ではソフトバンクグループが上場来高値を更新し、相場を牽引した。背景には、米国でのデータセンター新設に関する報道や、AI分野での協業が投資家に好感されたことがある。また、任天堂が5日続落から買い戻されるなど、循環物色が顕著になった。 指数と市場全体の動きが発表 TOPIXは3170.45と7.28ポイント上昇し、こちらも終値ベースで最高値を更新した。東証プライム市場指数は1632.04で0.23%高。売買代金は6兆円を超え、市場全体での取引活発化がうかがえた。業種別では鉱業や機械が上昇する一方、ガラス・土石製品やゴム製品などは下落した。 新興市場の下落が明らかに 一方で、新興株市場は軟調に推移し、東証グロース市場250指数は1.06%安の766.78ポイントで反落した。成長株からは資金が流出し、主力株への資金シフトが鮮明になった。
AI戦略の一環として米半導体産業を支援 ソフトバンクグループは8月19日、米半導体大手インテルに20億ドル(約2960億円)を投じると明らかにした。取得するのは普通株式であり、発行価格は1株当たり23ドルとされる。今回の出資は、AI分野を中核事業に据える同社の成長戦略に沿ったもので、米国内の最先端半導体生産体制を後押しする狙いがある。 孫正義氏、半導体の重要性を強調 ソフトバンクの孫正義会長兼社長は「半導体は産業全体の土台である」と強調し、AI社会に欠かせない先端半導体の安定した供給を後押しする考えを示した。インテルはAI向け半導体分野での競争で後れを取り、経営再建が急務となっているが、今回の出資はその立て直しに寄与することになる。 米政府による追加支援の可能性 米ブルームバーグ通信によれば、トランプ政権がインテル株式のおよそ10%を取得する方向で協議しているという。仮に実現すれば100億ドル規模となり、米政府が筆頭株主となる可能性も指摘されている。経営難に直面するインテルを国内政策として支援し、半導体産業の競争力強化を狙う動きとみられる。 大規模AI投資「スターゲート」構想と連動 ソフトバンクはすでに「スターゲート」と名付けたAI関連の大規模投資計画を発表しており、今後4年間で5000億ドル(約76兆円)を投資する方針を示している。オープンAIやオラクルとの提携に基づくデータセンター建設など、AIインフラ整備の推進も進行中で、今回の出資はその延長線上にある。 半導体供給網強化への期待 インテルは2024年に巨額赤字を計上し競争力低下が課題となっているが、ソフトバンクと米政府の関与により、米国内の半導体生産体制は新たな局面を迎える可能性がある。AIや次世代産業に欠かせない半導体供給を安定させることで、世界的な技術競争の中で優位を確保する狙いが浮き彫りになった。
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