投資家のリスク許容姿勢が回復 2日の米国株式市場では投資家の警戒感が和らぎ、主要指数がそろってプラス転換した。ダウ平均は4万7474ドルまで回復し、ナスダックも前日比で上向きの推移を示した。暗号資産市場の下落局面が一服したことが安心感を誘い、寄り付き後から買いが優勢となった。特にハイテク関連株の買い戻しが強まり、市場全体の流れを押し上げた。 暗号資産反発が市場心理を支援 ビットコインは前日に下振れしつつも、2日には9万2000ドル台に乗せた。短期間での反発が投資家心理に影響し、リスク資産に対する需要が高まった。暗号資産の値動きは市場の不安定要因として意識される一方、回復局面では株式市場の下支えとなる場面も多い。今回の上昇もその典型例であり、テクノロジー企業の株価動向にも好影響を与えた。 金融政策を巡る環境変化 市場では、来週予定される米連邦公開市場委員会で0.25%の利下げが決定されるとの見方が強まっている。短期金利先物市場の動きから推計される利下げ確率は9割に近づき、金融環境の緩和が続くとの認識が広がった。加えて、トランプ大統領が2026年初めに次期FRB議長候補を指名する方針を示したことが報じられ、国家経済会議のハセット委員長が候補として注目されている。金融政策の方向性に関する観測が市場を下支えする形となった。 業績を背景とした銘柄ごとの動き 企業動向ではAI関連銘柄が相場をけん引した。モンゴDBとクレド・テクノロジー・グループは市場予想を超える決算と収益見通しを示し、大幅な上昇を記録した。生成AIやデータ関連の需要増加が引き続き企業業績を押し上げており、関連銘柄に対する投資姿勢が強まった。このほか、ボーイングは航空機納入の見通し改善を示したことで10%の上昇となり、ダウ平均の上昇要因のひとつとなった。一方、ウォルト・ディズニーやコカ・コーラなどは軟調で、銘柄間に明確な差が見られた。 市場全体に広がる上昇の余波 今回の反発は暗号資産の動向と金融政策を巡る予測が重なり、市場に広範な影響を与えた。長期金利が伸び悩んだことも株価の支援材料となり、海外市場にも影響が広がった。シカゴの日経225先物は大阪比で285円高となり、日本市場への波及効果が観測された。さらに、ADR市場では日本株の動きがまちまちとなるなど、国際市場の連動性が示された。今後も金融政策や暗号資産の動きが主要な焦点となり、市場参加者の判断材料となる。
米関税強化に対するEUの防衛的措置が明らかに 欧州委員会は7月14日、トランプ政権がEU製品に対して30%の関税を課すと表明したことに反発し、約720億ユーロ(約12兆4000億円)相当の米製品に対する報復関税案を準備していることを明かした。これは、5月に公表された案から約230億ユーロ縮小されたが、依然として大規模な対抗措置となる。 報復対象には航空機・医療機器・農産品も 報復関税の対象には、ボーイング製の航空機やバーボンウイスキー、自動車などの主要製品に加え、医療機器や化学品、農産品なども含まれる。206ページに及ぶ対象リストには、米国の産業に幅広く影響を与える内容が盛り込まれており、鉄鋼・アルミ関税への対抗策の第2弾と位置づけられている。 EUは交渉継続を優先も「報復の構え」は維持 シェフチョビッチ欧州委員(通商担当)は14日夜に米商務省のラトニック長官と、15日には米通商代表部(USTR)グリア代表と協議を行った。EU報道官は「8月1日までに米国が関税を実行しなければ、報復発動は見送る」としながらも、対抗措置を行使する可能性は残しているとした。 日本・カナダとの協調で対米連携強化を模索 EUは、通商分野での協定強化と国際的な協調を進める中で、日本およびカナダとの関係深化にも取り組んでいる。今月中に予定されている日EU首脳会談では、「競争力アライアンス」立ち上げに向けた共同声明が準備されている。フォンデアライエン委員長は14日、カナダのカーニー首相と電話で、防衛分野や製造業に関する連携強化を協議した。 米主導の通商秩序再編が生む国際的摩擦の波 トランプ大統領は、米国第一の通商政策を掲げ、一方的な関税措置によって国際貿易の再編を主導しているが、これにより各国は米国への依存からの脱却を余儀なくされている。ブラジルのルラ大統領も、「米国以外の貿易相手国を探す必要がある」と述べており、通商摩擦が世界経済に与える影響は拡大しつつある。
耐久財受注が増加、企業の前倒し発注が要因に 2025年2月の米耐久財受注は前月比0.9%増となり、市場予想(1.0%減)を大きく上回った。1月の受注は3.3%増と上方修正されており、2カ月連続での増加となった。この伸びは、米国政府の関税措置を受け、企業が価格上昇を見越して設備機器の発注を前倒ししたことが背景にある。経済成長の減速が指摘される中、第1四半期の設備投資を押し上げる可能性がある。 コア資本財は減少、設備投資の先行きは不透明 航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の受注は、前月比0.3%減と市場予想(0.2%増)を下回った。1月の数値は0.9%増と上方修正されたものの、2月の減少は設備投資の停滞を示唆している。一方で、コア資本財の出荷は前年同月比0.9%増と、1年間で最大の伸びを記録した。企業の設備投資意欲は依然として見極めが必要であり、関税政策が今後の動向に大きな影響を与える可能性がある。 関税措置による経済活動への影響 ドナルド・トランプ大統領の政権下で発表された一連の関税措置により、企業の発注行動に変化が生じている。FWDBONDSの主任エコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は、「企業は関税発動を静観するのではなく、価格上昇を見越して早めの発注を行っている」と指摘する。しかし、この動きが持続的な経済成長を促すかどうかは不透明であり、関税の影響が設備投資の伸びを抑制する可能性もある。 業種別の受注動向、航空機関連は減少 業種別に見ると、一次金属(1.2%増)、金属加工製品(0.9%増)、電気機器・部品(2.0%増)、機械(0.2%増)、輸送機器(1.5%増)、自動車・同部品(4.0%増)、防衛航空機・同部品(9.3%増)など、多くの分野で受注が増加した。一方、民間航空機の受注は5.0%減少し、航空機市場の動向が注視されている。 ボーイングの受注が大幅減少、航空機市場の課題 米航空機大手ボーイングの発表によると、2月の航空機受注は13機にとどまり、1月の36機から大幅に減少した。これにより、航空機市場の需要動向に不透明感が増しており、今後の動向が注目される。
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