デジタル通貨時代への動きが本格化 三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3メガバンクが、円などの法定通貨に連動するステーブルコインの共同発行に向けて動き出した。複数の関係者によると、今後数週間以内に実証実験を開始する見通しで、国内金融機関の連携によって新たなデジタル決済インフラの構築を目指す。 法定通貨連動の安定資産を基盤に ステーブルコインは、円やドルなどの法定通貨と1対1で価値を維持する設計を持つ。裏付けとして銀行預金や国債などを保有するため、価格変動の大きい暗号資産とは異なり安定性が高い。これにより、国内外の資金決済や送金において安全かつ迅速な取引が可能となる。 プログマの技術で共同基盤を構築 3メガバンクは、デジタル資産の取引基盤を提供するプログマ社のシステムを利用する方針を固めている。共通規格を採用することで、各行間での送金や企業間取引を円滑化させる狙いだ。ブロックチェーン技術により、改ざんリスクを最小化しつつ即時決済を実現する体制を整える。 三菱商事が社内決済での実用化を検討 三菱商事もプロジェクトに加わり、自社の資金決済プロセスでステーブルコインを試験的に導入する計画を進めている。関係者によると、社内送金や海外取引の効率化が主な目的であり、決済時間の短縮や為替リスク低減などの効果が期待されている。 金融業界全体での普及を見据える動き 今回の取り組みは、単一行による発行ではなく、大手銀行が共通基盤の整備を主導する点で画期的とされる。今後は地方銀行や他の金融機関への参加も視野に入れており、日本国内でのデジタル通貨エコシステムの形成が加速する可能性がある。
新制度導入で職場環境改善を狙う 三井住友銀行は10月から、育児休業制度の利用を促進するため新たな取り組みを始める。1カ月以上の育児休業を取る行員本人と、その負担を分担する同僚に対し、それぞれ5万円の報奨金を支給する。大手銀行では初の試みとなり、育休取得を妨げる要因の一つである職場の負担感を軽減する狙いがある。 報奨金の対象と運用方法が決定 この制度は全行員約2万4,000人を対象とする。ただし、6カ月を超える長期休業の場合は代替要員が配置されるため、報奨金の対象外とされる。同僚に支給するかどうかは部署ごとに状況を踏まえ、ケースごとに判断される仕組みだ。女性の育休取得でも同様に報奨金が支給される。 男性行員の育休取得を必須化 同行は男性行員に対して、これまで推奨としていた1カ月の育休取得を原則必須とする方針に改めた。背景には、2023年度の男性行員の育休取得率が100%に達した一方で、平均取得日数が12日にとどまり、社内目標の30日に届かなかった実情がある。制度を強化することで、女性との利用格差を埋める狙いもある。 職場意識の改革を後押し 新制度は単なる金銭的な補助にとどまらず、育休取得を前向きに捉える社内文化の定着を意識している。特に男性行員においては、制度利用に伴う周囲への配慮が壁となってきた。今回の報奨金は、その心理的負担を取り除く役割を担うとみられる。 企業の持続的成長への影響 三井住友銀行は今回の制度導入を通じ、働きやすい職場環境の整備を進めると同時に、多様な人材の活躍を後押しする方針だ。企業全体としての生産性や人材定着率の向上につながることが期待され、金融業界における先行的なモデルとなる可能性がある。
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