経済運営の転換点を示した方針 政府は12月9日、2026年度予算編成に向けた基本方針を閣議で正式に了承した。今回の方針は、国内経済がこれまでの停滞局面を脱し、物価と賃金が同時に上昇する局面へ移りつつあるとの認識を示した点が特徴である。政府はこの変化を新たな成長段階への移行と位置づけ、財政運営の方向性を再構築する必要があると強調した。経済環境の改善を背景に、財政構造を従来型から成長軸に対応した形へ改める姿勢が明確になった。 成長に資する支出の重点化を進める方針 方針では、経済成長への寄与が見込まれる分野に対し、支出と税制の両面で重点的に資源を配分する姿勢が示された。研究開発、生産性向上、設備投資を促すための制度を厚くする一方、成果が十分に確認できない政策については縮減を検討すると記した。歳出と歳入を同時に見直すことで、財政全体の構造転換を図る意図が読み取れる。政府は支出の質を高めることで経済拡大と財政改善の両立を目指す立場を示した。 債務抑制と財政健全化を同時に図る姿勢 今回の基本方針では、債務残高の管理についても明確な方向性が示された。政府は経済成長率の範囲内に公的債務の増加を抑え、国内総生産比での債務水準を引き下げる目標を掲げた。市場の信頼を確保するために、財政運営の透明性と持続性を維持する必要があるとし、拡張的な財政措置と健全性確保を両立させるとした。財政余力を確保することが、長期的な経済安定につながるとの考え方が示されている。 社会保障制度改革と補正予算の課題認識 社会保障に関しては、現役世代が負担する保険料率の上昇を抑制する重要性が示された。制度の持続性を確保するため、保険料負担の軽減と並行して仕組みそのものの再構築を進めるとした。また、近年規模が拡大している補正予算についても課題視し、平時にふさわしい歳出構造を回復させる必要があると記した。政府は予算のあり方を検討する場を設け、財政運営全体の見直しに着手する方針である。 年内決定に向け作業を加速する見通し 政府は今回示した方針を基礎に、2026年度予算案の作成作業を本格化させる。年内の取りまとめを目指すとしており、財政規律と経済成長をいかに両立させるかが焦点となる。成長型経済への移行を支える財政のあり方が問われるなか、歳出の精査と制度改革の実行が今後の政策課題として浮上している。政府は国内外の経済環境を踏まえ、政策効果を重視した編成を進める構えである。
2026年度予算編成が大きな転換点を迎える 2025年7月22日、政府は2026年度予算編成の方向性を示すため、概算要求基準の草案を発表した。この新基準は、各省庁が予算を調整する際の指標となり、従来の方針からいくつかの重要な改訂が行われた。 政策経費の増額が認められる 新しい基準では、「裁量的経費」と呼ばれる政策判断による予算増減が、前年度比で2割増しとなることが認められた。これにより、各省庁は柔軟に予算を調整し、成長戦略や社会福祉などの重要政策を支援することが可能となる。しかし、この措置により、総額が膨らむ可能性もあり、注視が必要だ。 特別枠の廃止とその影響 また、これまで存在した成長戦略などを優遇する「特別枠」が廃止されることが決定した。この変更は、優遇措置を受けていた分野に影響を与えると見られる。政府は、特別枠の廃止により、より平等な予算配分が実現することを目指しているが、今後の予算要求にどのように影響するかは不透明だ。 賃上げ促進と物価高対策が重点項目に 新しい基準では、「事項要求」という金額を示さない予算要求が認められ、賃上げ促進や物価高対策が重点項目として挙げられている。これにより、これらの分野への支援が強化され、2026年度の予算全体における配分に大きな影響を与えることが予想される。 財務省の査定と今後の動き 政府は、各省庁からの予算要求を8月末までに受け付け、年末には財務省がその査定を行う予定だ。概算要求基準に基づく予算の最終決定は、2025年の年末に行われる予定であり、その後の予算編成に向けて政府と省庁の調整が続く。
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