減速が示された7〜9月期GDPの動向を示す見通し 内閣府が公表した2025年7〜9月期の実質GDPは前期比0.4%減となり、24年1〜3月期以来6四半期ぶりのマイナスに転じた。年率換算では1.8%減であり、輸出の縮小や住宅関連支出の大幅な減少が全体を押し下げた。市場予測に比べ落ち込み幅は小さかったものの、景気に反転の兆しは乏しい状況が続く。 消費と投資の動きが示す内需の底堅さと限界 個人消費は0.1%増とわずかながら6四半期連続のプラスを保った。猛暑による飲料需要の拡大が寄与し、外食や輸送関連も増加した。設備投資も1.0%増となり、住宅開発向けソフトウエア投資が押し上げ要因となった。一方で民間住宅投資は9.4%減と大幅に落ち込み、着工の反動減や資材費上昇の影響が明確に表れた。 輸出後退と観光需要低下が示す外需の弱さが焦点 輸出は1.2%減となり、北米向け自動車の減少が負担となった。米国の関税措置が広がるなか、産業財産権使用料も減り、サービス輸出も鈍化した。訪日客の減少によりインバウンド需要が落ち込んだことも響いた。外需寄与度はマイナス0.2%で、外部環境の変動に対する日本経済の脆弱さが浮き彫りとなっている。 中国による渡航自粛要請が訪日需要に与える影響を示す 中国政府が日本への渡航自粛を呼びかけたことが新たな懸念材料となる。SNS上で日本の災害情報が拡散した影響も重なり、香港を中心に訪日客が減少した。2024年の中国人旅行者は約698万人で、訪日消費の21%を占めていた。需要が同国有化時と同様に25.1%減ると仮定した場合、消費は1兆7900億円減少するとの試算が示されている。 景気の先行きを巡る不透明感が示す政策対応の重要度 城内実経済財政相は、個人消費と設備投資は底堅さを維持しているとし、緩やかな回復認識に変化はないと述べた。一方で訪日需要の下振れはGDPを0.29%押し下げる水準に達する可能性があり、先行きの下押し圧力は残る。高市政権は積極財政を掲げているが、輸出低迷と対外関係の緊張が国内経済に影を落としている。
日銀の利上げを受け、大手銀行が対応 2025年4月から、大手銀行の住宅ローン金利が一斉に引き上げられる。みずほ銀行と三井住友信託銀行は、それぞれ変動金利および固定金利の引き上げを発表した。これは、日銀が1月に実施した政策金利の引き上げを背景にした動きであり、今後の金利動向にも影響を与える可能性がある。 みずほ銀行と三井住友信託銀行の新金利水準 みずほ銀行は、最優遇の変動金利を0.150%引き上げ、0.525%とする。これは2020年9月以来の高水準となる。さらに、10年固定金利は0.100%上昇し、1.850%に設定された。この水準は2015年12月以降で最高の水準である。 一方、三井住友信託銀行も住宅ローン金利を大幅に引き上げた。変動金利は0.250%上昇し、0.730%に設定。10年固定金利は0.280%上昇し、2.055%となった。いずれも過去数年の中で高水準の利率であり、借入希望者にとって負担が増す状況となる。 金利上昇の背景と市場への影響 この住宅ローン金利の上昇は、日銀が2025年1月に実施した政策金利の引き上げに起因している。物価上昇を抑制する目的で実施された利上げが、金融機関の貸出金利にも影響を与えている。 特に、長期固定金利の上昇は、今後の住宅購入を検討する消費者にとって大きな負担となる可能性がある。また、変動金利の引き上げにより、すでにローンを組んでいる借り手も返済額の増加に直面することが予想される。 今後の住宅ローン市場への影響 今後、住宅ローン市場は金利上昇の影響を受ける可能性が高い。すでに住宅ローンを利用している借り手は、金利の変動に伴い、月々の返済額が増加するリスクを考慮する必要がある。また、新規の住宅購入を検討している人々にとって、ローン契約のタイミングが重要な判断材料となるだろう。 一方で、金融機関側も市場動向を注視しており、今後の政策変更によっては再び金利水準が調整される可能性もある。住宅購入を検討する際には、最新の金利情報を確認しながら慎重に判断することが求められる。 金利上昇への備えが重要に 今回の金利引き上げは、住宅ローンを利用する消費者にとって重要な転換点となる。特に、変動金利型のローンを契約している人々は、今後の追加利上げに備える必要がある。固定金利への借り換えを検討するなど、金利リスクに対応するための戦略を考えることが重要だ。 住宅購入やローンの借り換えを検討している場合は、金融機関の最新情報を随時チェックし、最適なタイミングを見極めることが求められる。今後の金融政策の動向を注視しつつ、賢明な判断が必要となるだろう。
株式市場は上昇基調、政策変更への期待が広がる 米国株式市場は3月25日、トランプ政権の関税政策に関する柔軟な対応への期待から続伸した。特に4月2日に予定されている関税発表の一部延期の可能性が示唆されたことで、市場心理が改善した。さらに、消費者信頼感指数の発表にも注目が集まり、投資家の関心は経済指標の動向にも向けられている。 トランプ政権の関税政策が市場を左右 トランプ大統領は、自動車関税の発表を近く行う意向を示した一方で、4月2日に予定されている追加関税発表の一部延期の可能性に言及した。これを受け、市場では貿易摩擦の緩和に期待が高まり、投資家心理が改善した。一部の専門家は「市場の完全な明確さは得られていないが、関税政策に関する方向性が示されたことで投資家の安心感が強まった」と指摘している。 消費者信頼感指数が低下、景気の先行きに不安も 米コンファレンス・ボード(CB)が発表した3月の消費者信頼感指数は92.9と、前月比7.2ポイントの大幅な下落を記録した。これは4年以上ぶりの低水準となり、市場予想の94.0も下回る結果となった。この指標は4カ月連続で低下しており、個人消費の鈍化を示唆している。これにより、景気減速への懸念が市場に影響を与える可能性がある。 主要銘柄の動向、テスラが上昇をけん引 個別銘柄では、アップルが1.4%上昇し、ナスダック総合指数を支えた。一方、半導体大手エヌビディアは0.6%下落した。電気自動車(EV)大手のテスラは、前日の約12%の急騰に続き、この日も3.5%上昇。これは、新型モデルの予約好調や自動運転技術の進展への期待が背景にあるとみられる。 一方で、住宅建設のKBホームは、2025年通期の売上高見通しを引き下げたことを受け、5%超の下落となった。この発表により、住宅市場の減速が懸念されている。 FRBの金融政策と今後の市場の焦点 米連邦準備理事会(FRB)のクーグラー理事は、現在の金融政策が依然として引き締め的であると発言した。また、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、企業や家計が経済の先行きに対して「不確実性の高まり」を感じているとの認識を示した。 市場関係者の関心は、今後発表される経済指標に移っており、特に3月28日に発表予定の個人消費支出(PCE)価格指数に注目が集まっている。この指数は、インフレの動向を測る重要な指標であり、FRBの政策決定に影響を与える可能性が高い。 経済の不透明感が続く中、投資家の注目は経済指標へ 米国株式市場は、トランプ政権の関税政策の柔軟化への期待や、一部の銘柄の上昇によって続伸した。しかし、消費者信頼感指数の低下や住宅市場の懸念が市場のリスク要因として浮上している。今後の市場動向は、FRBの金融政策や重要経済指標の発表次第で大きく変動する可能性がある。投資家は引き続き経済指標の動向を注視する必要があるだろう。
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