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年金改革法案が衆院通過 基礎年金の将来へ課題残す

改正案に基礎年金の底上げ措置を追加 2025年5月30日、衆議院本会議で年金改革法案が可決された。法案の付則には、基礎年金の将来的な減額に対応するため、厚生年金の積立金を用いて補填する措置が盛り込まれている。政府はこの方針を制度の安定化に向けた一歩と位置づけている。 厚生年金加入要件の撤廃も明記 法案には、厚生年金加入の障壁とされてきた「年収106万円の壁」や、企業の従業員規模に関する条件を撤廃する改正も含まれている。これにより、非正規雇用者の年金加入が促進される見通しだ。 与野党の一部が修正案に合意し採決へ 修正案は自民党・公明党に加え、立憲民主党が共同で提出。衆院厚生労働委員会での採決を経て、本会議に緊急上程された。結果として、3党を中心に賛成多数で可決され、参議院に送付された。今国会での成立が見通されている。 各党が財源や審議時間に異議を表明 一方、維新・国民民主・共産・れいわ新選組などは反対に回った。特に維新の阿部議員は「財源が不透明で無責任」と批判。国民民主の玉木代表は「強行採決は国民への裏切り」と述べ、共産党も「3党合意だけで進めるのは熟議に反する」と反発した。 河野前大臣は採決を欠席 SNSで批判 自民党の河野太郎前デジタル大臣は、本会議での採決に加わらず席を離れた。自身のSNSで「厚生年金の積立金を流用すれば税金の投入になる」とし、「毒入りのあんこ」と痛烈に批判した。党幹部は体調不良の報告があったとして処分の必要はないとの見解を示している。

年金改革関連法案が閣議決定 「年収106万円の壁」撤廃を柱に

法案の成立に向けた国会審議が始動 政府は2025年5月16日、パートタイム労働者をはじめとする労働者が厚生年金に加入しやすくするための年金改革法案を閣議決定し、国会に提出した。法案は5月20日に開かれる本会議で審議を開始する予定で、石破総理大臣がその趣旨を説明する見通しだ。法案の目玉は、「年収106万円の壁」として知られる賃金制限を撤廃し、変化する働き方に対応する形で厚生年金の適用を広げることにある。 厚生年金の適用拡大と企業負担の支援策 法案では、従来は従業員数51人以上の企業を対象としていた厚生年金の加入義務を、2027年10月から段階的に緩和し、10年後には要件を撤廃する計画だ。これにより、約200万人の新たな加入者が見込まれている。企業側の保険料負担増加に対応するため、来年10月から3年間に限り企業の負担割合を引き上げ、その増分は全額国が支援する仕組みも盛り込まれている。 基礎年金の底上げ調整が難航 当初、厚生年金の積立金を活用して基礎年金の給付水準を引き上げる案が検討されたが、自民党内で給付水準の一時的低下や追加の国庫負担への懸念が強まり、最終的に法案には含まれなかった。この点については、野党から「就職氷河期世代」の将来年金が減少するとの指摘があり、今後の審議で重要な論点となる見通しだ。 その他の制度見直しの内容 法案には個人事業所での厚生年金適用拡大や、標準報酬月額の上限引き上げ(65万円から75万円へ段階的に)も含まれる。また、65歳以上の在職老齢年金の減額基準の引き上げや、遺族厚生年金の受給条件の男女格差解消も盛り込まれ、年金制度全体の公平性と持続可能性を強化する措置が複数盛り込まれている。 社会変化に対応した制度改革の今後 高齢化や多様な働き方を背景にした今回の年金制度改革は、国民生活に直接影響を与える重要な政策だ。企業負担の支援策や給付水準の問題など課題も残るが、国会での審議を通じて実効性の高い制度設計が求められている。