海外事業者出店が急増する市場環境 楽天グループは2025年12月15日、インターネット通販サイト「楽天市場」に出店する海外事業者の数が1,000店舗を突破したと明らかにした。越境ECを通じ、利用者が海外事業者から直接商品を購入する取引形態が定着しつつある。過去10年で国内の物販系EC市場は大きく拡大し、越境ECの浸透が市場成長を後押ししてきた。楽天市場でも、海外商品の選択肢拡充が利用者の関心を集めている。 出店ペースを数倍に引き上げる戦略 楽天は、これまで年間約150店舗の増加ペースだった海外事業者の出店数を、今後は3〜4倍に引き上げる計画を示した。対象地域は物流の安定性や需要規模を考慮し、アジア、北米、欧州を中心に拡大してきた。現在は22の国・地域からの出店が可能となっている。出店条件として、日本語での問い合わせ対応体制を求めるなど、一定の基準を設けて選別している点も特徴だ。 越境EC利用の仕組みと消費者メリット 越境ECは個人輸入として扱われるため、購入金額によっては関税や消費税が免除される場合がある。現地価格に近い水準で商品を購入できる点が、利用者にとっての利点となっている。楽天市場を通じた取引でも、こうした制度上のメリットは維持される。特に米国の健康食品、中国の家電製品、韓国の化粧品といった分野は、国内利用者の需要が高いとされる。 販売支援と安全対策の強化策 楽天は海外事業者向けの支援策として、コンサルティング体制を拡充する。2026年3月には、短期間での売上向上を目的とした集中型支援プログラムを導入し、実績のある店舗がノウハウを共有する仕組みを整える。また、模倣品や配送トラブルに備え、海外事業者からの購入であっても補償制度を適用し、利用者の安全性を国内取引と同水準で確保する方針を示している。 競争激化の中で描く成長シナリオ 中国系ECサイトによる低価格戦略が越境EC市場で存在感を高める中、楽天は安全性と支援体制を強みに出店拡大を進める構えだ。政府も制度面での見直しを検討しており、市場環境は変化の局面にある。楽天市場は海外事業者の受け入れを加速させることで、国内利用者の利便性向上と持続的な成長の両立を目指している。
予約サイト「Agoda」での不正確な情報の増加 オンライン宿泊予約サイト「Agoda」では、昨年夏以降、予約したホテルの部屋が取れていない、あるいは予約内容と異なる部屋が提供されるというトラブルが多発している。利用者からの不満や相談が相次いでいる中、観光庁の村田茂樹長官は、この問題について改善策の進捗状況を注視し続け、必要に応じて適切な対応を取る意向を示した。 トラブル発生の背景と運営会社の説明 Agodaの運営会社は、予約トラブルの原因を一部の「第三者サプライヤー」による虚偽の部屋情報の掲載にあると指摘している。これに対し、同社は該当業者との取り扱いを停止し、管理体制を強化する方針を明言した。しかし、実際にどのような手順で業者との契約が見直され、どの程度効果があるのかは不明な点が多い。 観光庁による監視と改善要求 観光庁は、Agodaに対して具体的な改善策を求めてきた。村田長官は、同サイトの改善策が実効性を持つかどうか、またその進捗を監視していくと語った。観光庁は、消費者に対して「利用規約の確認」や「問い合わせ先の把握」を事前に促しており、サイト利用に対する警告も行っている。 消費者への注意喚起 観光庁は、消費者が事前に確認しておくべき事項として、規約や約款、問い合わせ先を挙げており、これを観光庁のホームページでも周知している。これにより、今後のトラブル防止を図るとともに、消費者が自分でリスクを避けるための支援を行っている。 今後の対応と期待される改善 今後、観光庁の監視体制が強化されるとともに、Agodaが発表した改善策が実際に効果を上げることが期待される。消費者と運営側が協力して、オンライン予約の信頼性向上に取り組むことが求められている。
巨額制裁に対してアップルが法的措置を発表 米アップルは7月7日、欧州連合(EU)欧州委員会による5億ユーロ(約850億円)の制裁決定に不服を申し立て、EU司法裁判所の一般裁判所に提訴したと発表した。対象となったのは、EUが2023年から施行したデジタル市場法(DMA)に関する違反認定である。アップルは、自社アプリストア外でのアプリ配信に対する対応を「違法」とされることに強く反発している。 欧州委が指摘した「競争制限的な構造」とは 2025年4月、欧州委はアップルに対し、他のアプリ流通手段を不当に制限していたとして、5億ユーロの罰金支払いを命じた。外部の支払い方法を開発者が導入できないよう妨げた行為が問題視され、市場の競争原理が阻害され、消費者の自由な選択が妨げられたと結論づけた。DMA適用後としては初の高額制裁ケースとなる。 アップルは「混乱と悪影響」を指摘し反論 アップルは提訴とともに、欧州委員会の決定について「開発者を混乱させ、ユーザー体験に深刻な悪影響を及ぼす」とする声明を発表した。さらに制裁金額についても「著しく過大で不当」と主張し、現行の規制判断が公平な市場形成を損なう可能性があると警告した。アップルは今後の司法判断を通じて、企業活動の正当性を訴えていく構えだ。 デジタル市場法の本格適用と今後の焦点 DMAは、GAFAなどの巨大テック企業の市場独占を抑制するため、EUが導入した規制制度である。2023年3月から施行され、企業に対しアプリ配信や検索優先順位などに関して競争促進の義務を課している。今回のアップルと米メタへの制裁は、その初適用となり、欧州域内におけるIT企業への監視強化の象徴的事例とされている。 市場と企業戦略に与える今後の影響 アップルの提訴は、DMAの適用範囲や執行の在り方に疑問を投げかけるものであり、他の巨大プラットフォーマーにとっても前例となる可能性がある。今後の審理結果によっては、アプリ配信市場におけるビジネスモデルの大幅な見直しが求められることも想定される。DMAと企業の関係性がどのように変化するか、欧州全域で注目が集まっている。
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