経営トップが示した生産体制の方向性 アイシンは、世界規模で展開する生産ネットワークを活用し、各市場に根差した生産体制を構築する方針を明確にした。吉田守孝社長は、地域ごとに異なる市場環境を踏まえた戦略立案の重要性を強調している。画一的な対応からの転換が特徴となる。 北米で高まるHV関連需要に対応 北米市場ではハイブリッド車への関心が根強く、同社は関連部品の供給力強化を進める。需要の持続性を見据え、生産能力の拡張を検討している。市場動向を反映した投資判断により、競争力の維持を図る。 現地完結型経営の推進 営業から調達、生産までを地域単位で完結させる体制を整える。現地判断を尊重することで、迅速な対応と効率的な事業運営を可能にする狙いがある。地域事情を踏まえた運営が、事業の安定につながる。 日本、インド、南米への注力 重点地域として日本、北米に加え、インドと南米を挙げた。インドでは電動化関連製品の現地生産を開始し、南米でもHV需要を視野に入れた体制整備を検討している。各地域の成長段階に応じた施策を展開する。 市場に根差した取り組みが成長軸に 顧客との距離を縮めることで、製品提案の幅を広げ、取引拡大を目指す。地域密着型の生産と経営は、同社の競争力を支える重要な要素となる。市場特性に即した戦略が、今後の事業展開を左右する。
米工場への大規模投資計画が判明 トヨタ自動車は2025年11月18日、米国内でのハイブリッド車拡大に向け、5工場を対象に総額9億1200万ドルを投じる方針を示した。投入される資金は、生産設備の拡大および新ラインの構築に用いられる。今回の決定は、北米市場で需要が増加するHV供給体制を強化する施策として位置付けられている。加えて、米国向け車両の生産基盤をより安定させる狙いがあるとされる。 カローラHVの国内生産開始を発表 ミシシッピ州の工場では、2028年からカローラのハイブリッドモデルが米国内で初めて製造される。これまで日本から輸送していた車種を現地で生産することで、供給効率の向上や調達コストの抑制が期待されるとしている。併せて、同工場には1億2500万ドルが投入され、新たなHVラインが導入される予定だ。他州の工場と合わせて生産能力の底上げを図る構成となっている。 複数州で生産設備を拡充する動きが進行 ウェストバージニア州ではHV向けエンジンの製造体制を拡張し、4億5300万ドルを投じた設備更新が行われる見通しだ。また、ケンタッキー、テネシー、ミズーリの各工場でもHV部品の生産ラインの強化が実施される。これらの拡張は2027年以降に順次稼働し、トヨタは合計252人の新規雇用を見込んでいる。生産ネットワーク全体での効率向上が目的とされ、北米需要に応じた柔軟な対応を可能にする体制を整える。 北米市場での販売動向が影響 トヨタの米国販売は1〜10月で約207万台となり、前年同期比8%増と堅調に推移している。特にHVやPHVは24%増と伸びが大きく、消費者の選択肢として存在感を高めている。9月末に終了したEV向け税制優遇策は需要構造の変化を生み、HVへの関心が広がったとされる。こうした市場環境が、今回の大規模投資に影響を与えた背景として位置づけられる。 北米投資計画全体への組み込みが進展 トヨタは11月12日に、米国でHVやEVの現地化を進めるため、今後5年間で最大100億ドルを投資する計画を示していた。今回の9億1200万ドルの投入はこの枠組みに組み込まれており、生産の現地化と供給網の強化を着実に進める構成となる。北米全体では米国向け車両の76%が現地生産で占められており、今回の追加措置により生産地域の集中がさらに進む見通しだ。
世界的なEV需要拡大に対応する動き 日本の大手商社である豊田通商が、韓国と中国の合弁企業に資本参加することを決定した。電気自動車向け電池の普及に伴い需要が急増する正極活物質の供給網を強化し、北米市場への安定供給を実現する狙いだ。 韓国合弁企業への出資を発表 豊田通商は9月9日、韓国LG化学と中国・華友コバルトが共同で設立した「LG-HY BCM」の株式25%を取得すると発表した。金額は公表されていないが、車載電池の主要素材を確保する戦略的判断と位置づけられる。 正極活物質の重要性が鮮明に リチウムイオン電池の正極に用いられる三元系活物質は、ニッケルやコバルトといった希少金属から成り、電池の性能や寿命を左右する。安定調達が難しいことから、自動車メーカーにとって供給確保は大きな課題となっている。 年間6万6000トンの生産能力を確保 LG-HY BCMは年間6万6000トンの正極活物質を製造できる体制を整えており、世界的な水準の技術力を誇る。豊田通商は韓国で生産された材料を北米を中心に電池メーカーへ供給し、安定供給の仕組みを確立する。 グローバル供給網に及ぶ波及効果 今回の出資により、豊田通商は原料調達から製造、供給までを一貫して担う体制を構築する。電池材料の安定供給を確保することで、自動車産業全体の競争力維持に寄与する戦略的な取り組みとなる。
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