貿易統計が示した数量減少 中国税関総署の発表では、2025年12月の対日レアアース磁石輸出は280トンとなった。これは前月から8%の減少で、25年で最大水準だった11月から反落した。数量自体は過去と比べ極端に低い水準ではないが、政策動向と結び付けて受け止められている。 規制前倒し調達による数量増 前年同月比では、12月の輸出量は3割台の増加となった。中国側の規制強化が予告される中、日本の輸入業者が調達を前倒ししたことが数量増につながったとされる。結果として、月次では減少しても、年間比較では高い水準を維持した。 軍民両用品目管理の影響 中国商務当局は今月、軍民両用(デュアルユース)品目の対日輸出管理を強化した。これに対し、中国側は民生用途への影響はないとの立場を示している。一方、日本企業で構成する経済団体は、方針の周知徹底を求める要望を提出し、現場での混乱回避を求めた。 米国向け輸出と外交要因 12月の米国向け輸出は564トンで、前月比3%減となった。25年通年では米国向け出荷が前年を下回っており、輸出管理の影響が続いている。ただ、米中首脳間の協議を受け、一部規制が一時停止されたことで、回復の兆しも確認されている。 世界的供給を握る中国の立場 中国はレアアース分野で圧倒的な供給力を持ち、国際市場への影響力は大きい。12月の世界全体の輸出量は約5950トンと前月を下回ったが、年間では高水準を維持した。輸出管理の運用次第で、日本を含む各国の産業に影響が及ぶ状況が続いている。
AI競争激化で施設建設が加速 生成AI分野の競争力確保を背景に、米国内ではデータセンターの建設が相次いでいる。処理能力拡大が急務となる一方、施設の集中立地が電力や水といった公共資源に与える影響が課題として浮上している。地域社会は、その負担の在り方に強い関心を示している。 公共料金への影響を抑制 マイクロソフトは、データセンター運営に伴う電力需要増が公共料金に影響を及ぼさないよう、必要なコストを自社で賄う姿勢を示した。電力価格の急騰を避けるため、地元電力会社と協力し、供給能力の拡大にも関与するとしている。 水使用の情報公開を重視 同社は、水資源についても消費量の抑制と補充を両立させる方針を掲げた。各地域の水使用量や補充状況を公開することで、住民が実態を把握できる環境を整える。情報開示を通じた信頼構築が重要視されている。 地域懸念と政治的視線 データセンターが土地や天然資源を大量に使用する点については、地域住民だけでなく政治指導者からも懸念が示されている。国民生活への影響を抑える対応を求める声が高まり、企業の判断は政策的な視線にもさらされている。 企業利益と社会的負担の調整 マイクロソフトの経営陣は、企業が大きな利益を得る一方で、その負担を社会に転嫁するのは適切でないとの考えを示した。今回の取り組みは、AI時代における企業責任と地域との共存の在り方を示す試金石となっている。
委員会採決の内容が判明 ウズベキスタン・サマルカンドで開催されたワシントン条約締約国会議の委員会は、ニホンウナギを含むウナギ属全種を国際取引規制の対象に加える提案を審議し、反対多数で否決した。絶滅のおそれのある野生動植物を守ることを目的とする条約の枠組みの中で、全種を付属書に加えるかどうかが注目されていたが、採決では賛成35、反対100、棄権8という結果となった。採択には3分の2以上の賛成が必要とされ、要件を満たさなかったことで案は退けられた。投票は無記名で実施され、条約に加盟する143か国が判断を示した。 日本が示した見解の背景が判明 日本政府は今回の規制強化案に対し、科学的根拠が十分に示されていないと主張し、委員会で明確に反対姿勢を示した。水産庁の担当者は会議の場で、資源評価や取引データの分析が提案内容に追いついていない点を指摘し、日本の立場を説明した。規制が導入されれば輸入量の多い日本の流通が混乱する可能性があるとして、取扱量や管理体制を踏まえ、拙速な判断を避けるべきだと訴えた。日本はウナギの供給量の約7割を海外からの調達に依存しており、業界関係者の間では事務手続きの増加による流通停滞への懸念が広がっていた。 各国の投票動向と議論の構図が判明 委員会の議論では、欧州連合(EU)が資源量の減少を理由に規制強化を推進し、ウナギ全種類を付属書に加えるよう求めた。一方、日本の主張に理解を示す国も多く、アジアやアフリカの複数の国が反対票を投じる姿勢を示した。とりわけアフリカ地域の反対がまとまったことが、全体の票の流れを大きく動かしたとみられている。EUと反対側の国々との間では、科学的データの評価や取引量の把握方法を巡って意見が割れ、委員会でも活発な議論が続いた。 日本政府の働き掛けの実態が判明 日本は会議に先立ち、関係国との調整を精力的に行った。農林水産省の担当者は各国大使館を頻繁に訪問し、日本の立場を丁寧に説明してきたと明らかにした。また、会議期間中も現地で各国代表と対話を重ね、理解の獲得に努めたという。鈴木憲和農林水産相は、今年8月に横浜で開かれたアフリカ開発会議(TICAD)が関係国との連携強化に貢献したと述べている。これらの活動が反対票の拡大につながり、規制案の否決に影響したとの見方が示された。 本会議での最終判断への影響 委員会で否決された規制案は、12月5日の本会議で最終決定が下される。多くの加盟国が委員会段階での判断を踏襲する傾向があるため、現時点では否決の維持が見通されている。日本政府関係者は、各国の理解が広がったことを評価し、今後も資源管理を進めながら持続的な取引を確保する姿勢を示している。今回の結果は、日本の食文化に深く関わるウナギの安定供給にとって重要な意味を持つとされ、国内市場の混乱を避ける上でも大きな影響を与えることになった。
資源改善を踏まえた増枠方針が判明 大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)は、2026〜2028年に適用される大西洋クロマグロの年間漁獲枠について、日本の割当量を4,321トンとする方針を決めた。2025年比で14%増となる543トン上積みされ、資源状態の改善が数値に反映された形となる。高級食材として需要の高いクロマグロは、日本の市場でも安定供給が求められており、今回の決定は漁業者と流通関係者にとって重要な節目と位置付けられる。 増枠に至った資源状況の変化が判明 ICCATが今回の設定を行った背景には、近年の調査で大西洋クロマグロの資源量が回復基調にあるとの評価が示されたことがある。過去には乱獲で数が減少し規制強化が続いてきたが、産卵資源の増加など複数の指標が改善したことで、管理措置の緩和が認められた。日本側の漁獲枠は太平洋の枠より小さいが、回復傾向が明確になったことで、長期的な供給見通しも安定しつつあると受け止められている。 東西水域での配分状況が発表 大西洋クロマグロは東側と西側で区分管理されており、今回の日本の枠は東水域で3,559トン、西水域で762トンとされた。いずれも前年比で2桁増となり、日本の実際の操業範囲に合わせた形で配分が拡大された。東側は欧州やアフリカ沿岸が中心で、資源量が比較的豊富とされている。一方、西側は北米周辺で、管理の厳格さが特徴だが、こちらでも増枠が認められたことは回復基調の裏付けといえる。 メバチマグロの協議状況が発表 今回の年次会合では、クロマグロに加えてメバチマグロの扱いも議題となった。しかし、漁獲枠を動かすための合意形成には至らず、現状維持となった。メバチマグロは安定供給が重要な魚種であるため、漁獲水準の調整には慎重な協議が求められている。ICCAT加盟国間での見解の相違もあり、次年度以降の会合で引き続き調整が進められる見通しとなっている。 次回会合に向けた日程調整が進行 ICCATには日本、米国、EUのほか、新興国を含む55カ国・地域が参加している。今回の会合は11月17〜24日にスペインで行われ、多数の漁業管理案件が協議された。次回の会合は2026年11月にポルトガルで実施される予定で、大西洋クロマグロの追加評価や、メバチマグロを含む他魚種の枠組み見直しが改めて議論される見込みだ。
長期的管理ルールの導入目指すも交渉難航 富山市で開催された国際会議では、太平洋クロマグロの将来的な資源管理の在り方が主要議題となった。特に、資源量の増減に応じて自動的に漁獲枠を設定する仕組みの導入について議論が交わされた。参加国は制度の透明性と柔軟性の向上に向け、統一的なルールの策定を目指していた。 昨年の合意を受けた追加ルール構築の試み 太平洋クロマグロをめぐっては、過去に乱獲が問題となり、国際的に厳しい漁獲制限が敷かれてきた。昨年の会議では、資源の一定回復を背景に、大型個体に関する漁獲枠の1.5倍増が承認された。今回の会議はその成果を踏まえ、安定した管理体制の構築を図るものであった。 日本は緩和寄り、米国は厳格基準を主張 日本は今回、比較的緩やかな資源量の基準を用いた漁獲枠の設定を求めた。これは、早期の資源増大を見越した柔軟な対応を意図したものとみられる。一方でアメリカや一部の国・地域は、過去の教訓からより慎重な資源評価基準の採用を主張。これにより両者の立場の隔たりは埋まらず、合意には至らなかった。 現行体制維持しつつ来年の合意目指す 交渉は最終的に決裂する形となったが、会議では来年の合意を見据えて引き続き協議を継続することで一致した。現行の資源管理方針と漁獲制限は当面維持される見通しであり、新たなルールの導入にはさらに時間を要することが確実となった。 管理の自動化は実現せず、課題が浮き彫りに 今回の協議では、国際的な漁業資源管理における利害対立の構図が改めて浮き彫りとなった。科学的根拠に基づいた自動調整ルールの整備が進めば、将来の資源変動に対しスムーズな対応が可能となるが、各国の立場の違いは依然として大きい。資源の持続可能性と産業の安定を両立させるための調整は今後も続く。
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