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豊田通商、韓国LG合弁に出資し電池材料供給網を強化

世界的なEV需要拡大に対応する動き 日本の大手商社である豊田通商が、韓国と中国の合弁企業に資本参加することを決定した。電気自動車向け電池の普及に伴い需要が急増する正極活物質の供給網を強化し、北米市場への安定供給を実現する狙いだ。 韓国合弁企業への出資を発表 豊田通商は9月9日、韓国LG化学と中国・華友コバルトが共同で設立した「LG-HY BCM」の株式25%を取得すると発表した。金額は公表されていないが、車載電池の主要素材を確保する戦略的判断と位置づけられる。 正極活物質の重要性が鮮明に リチウムイオン電池の正極に用いられる三元系活物質は、ニッケルやコバルトといった希少金属から成り、電池の性能や寿命を左右する。安定調達が難しいことから、自動車メーカーにとって供給確保は大きな課題となっている。 年間6万6000トンの生産能力を確保 LG-HY BCMは年間6万6000トンの正極活物質を製造できる体制を整えており、世界的な水準の技術力を誇る。豊田通商は韓国で生産された材料を北米を中心に電池メーカーへ供給し、安定供給の仕組みを確立する。 グローバル供給網に及ぶ波及効果 今回の出資により、豊田通商は原料調達から製造、供給までを一貫して担う体制を構築する。電池材料の安定供給を確保することで、自動車産業全体の競争力維持に寄与する戦略的な取り組みとなる。

トヨタ、欧州戦略を強化 チェコ工場にEV生産体制を整備

チェコ工場で初めてのEV専用生産 9月3日、トヨタ自動車はチェコ・コリーン工場で電気自動車(EV)の製造を行うことを正式に表明した。投資規模は約1200億円に達し、同社が欧州の自社工場でEVを手掛けるのは前例のない取り組みとなる。チェコ政府関係者も出席した発表の場では、この計画が地域経済や自動車産業全体に大きな影響を及ぼすことが強調された。 生産ラインの拡張とバッテリー設備 計画では、既存の工場を拡張し、電池組立工場を新設する。これにより車両とバッテリーを一体的に製造できる体制を構築する。現在同工場ではハイブリッド車を含む小型車を年22万台規模で生産しているが、今後はEV生産が加わることで欧州市場への供給力がさらに強化される。 欧州市場向け戦略の一環 トヨタは電動化を進める欧州市場での競争力強化を狙い、EVの現地生産を加速させている。欧州法人の中田佳宏社長は、生産開始を「今後数年以内」と述べ、具体的な車種や台数は現時点で明らかにしていないが、戦略的な布石として位置づけている。これにより欧州における電動車ラインアップが拡大することになる。 2026年までに14車種を投入へ トヨタは2026年までにレクサスブランドを含むEV14車種を欧州で展開する方針を示している。また、2027年には欧州における新車販売の2割をEVが占めると見込み、その台数は25万台に達すると予測されている。チェコでの新たな生産体制は、この目標達成に直結する要素とされる。 技術革新と地域産業への波及効果 チェコのフィアラ首相は発表の場で、「自動車産業を国内に維持するための重要な一歩だ」と語り、技術力向上と雇用確保につながると評価した。トヨタの大型投資は同国産業界の発展を後押しするとともに、欧州全体の脱炭素化政策にも貢献する意義を持つ。

テスラがインドに進出 ムンバイに初の拠点

インドの巨大市場へ本格参入の姿勢を示す 米国の電気自動車大手テスラは、2025年7月15日にインドの商業都市ムンバイにて、同国初のショールームをオープンした。インドは世界第3位の自動車市場であり、テスラにとって成長戦略の重要拠点と位置付けられている。現地報道によれば、今月中にもニューデリーに新たな拠点を構える計画も進んでいる。 政府との関税・生産交渉が長期化していた経緯 イーロン・マスクCEOは数年来、インド進出を模索してきたが、高い関税制度と国内生産をめぐるインド政府との交渉が障壁となっていた。これまで計画は繰り返し延期されていたが、今回ようやく最初の一歩が現実のものとなった。 ブランド認知と市場調査が主目的とされる 今回のショールーム開設は、大量販売をすぐに狙うものではなく、テスラ車の需要動向の把握とブランドイメージの強化を主眼に置いた戦略と報じられている。ブルームバーグ通信によると、現地消費者の反応を見極めながら、段階的に事業展開を進める構えである。 インドでの車両価格は他国より高めに設定 ムンバイに展示されたSUV「モデルY」は、現地で約6万9765ドル、日本円でおよそ1030万円に設定されている。これは米国や中国における販売価格より高く、輸入関税などが影響しているとみられる。 世界販売は減少傾向 ブランド再建が課題 2025年4〜6月期におけるテスラの世界販売台数は38万4122台にとどまり、前年同時期と比較して13%減少した。イーロン・マスク氏の発言に端を発した不買運動が一部地域で広がったことが、販売不振の一因とされている。今後はインド市場における認知拡大と収益回復が課題となる。

ホンダ、ロス五輪で最上位スポンサーに名乗り

EV技術のアピールに向けた大規模な取り組み ホンダは2028年のロサンゼルス五輪・パラリンピックにおいて、主催組織と「ファウンディング・パートナー」契約を締結した。これは日本企業として国内で最高位のスポンサー契約であり、大会に車両を提供する中で、電気自動車の活用にも注力する構えを見せている。 トヨタ撤退後の最上位スポンサー契約を獲得 これまで国際オリンピック委員会(IOC)のトップスポンサーとしてトヨタが活動していたが、その契約は昨年終了していた。ホンダの契約発表により、トヨタ撤退後の空白を埋める日本企業として、新たな存在感を示す形となった。 車両提供に加えEV普及にも貢献の意図 ホンダが大会に提供するのは一般車両にとどまらず、EVの最大限の活用を含んでいる。この動きは、同社の環境技術戦略やカーボンニュートラルへの取り組みの一環と位置づけられ、世界的な注目が集まる可能性がある。 米国代表チーム支援を含む包括的契約 今回のスポンサー契約には、来年開催されるミラノ・コルティナ冬季五輪およびロサンゼルス大会に出場する米国代表チームの支援も盛り込まれている。大会そのものの支援と並行して、選手支援も重視する姿勢が明らかとなった。 国内外での企業価値向上を狙う動き ホンダにとって今回の契約は、世界的スポーツイベントへの関与を通じたブランド価値の強化を図る戦略の一環と見られる。環境技術を支える企業としての信頼性の訴求にもつながるとみられ、今後の企業活動にも波及が期待される。

ホンダ、EV投資縮小とHV強化を正式発表

電動化戦略を大幅修正し投資総額を削減 20日、ホンダは電気自動車(EV)に関する投資戦略を再構築し、当初計画していた10兆円の予算を7兆円に修正すると発表した。これは、世界的なEV需要の低迷と米政権による支援姿勢の変化を受けた対応となる。 内訳としては、電池関連で1兆円、EV工場などの生産設備に対して2兆円の減額が行われる。2028年稼働を予定していたカナダの新工場は、2030年以降に稼働を延期する。なお、ソフトウェア関連への2兆円投資計画は維持される。 米政権の政策転換が投資判断に影響 見直しの背景には、EVの普及支援に消極的な姿勢を見せているトランプ米政権の動きがある。ホンダはこうした政策環境の変化を踏まえ、リスク回避と柔軟な対応の両立を目指して計画を修正したとみられる。 EVの販売比率についても、2030年時点の想定を従来の30%から20%へと引き下げた。今後は市場の成熟度と政策動向を注視しながら、段階的な電動化を進める構えだ。 ハイブリッド車戦略を全面強化 ハイブリッド車(HV)の販売が堅調なことを受け、ホンダは今後もこの分野への投資を加速させる方針だ。2027年から2030年までに計13車種を世界市場に投入し、2030年には220万台の販売を目指す。これは2024年比で約2.5倍の規模となる。 長期目標は維持、将来のEV普及に期待 EVの普及見通しは短期的に下方修正されたが、ホンダは2040年までにすべての新車をEVまたは燃料電池車(FCV)とするという方針を引き続き掲げている。環境対応技術の開発は継続される。 社長の三部敏宏氏は「現実を見据えた調整であり、収益性と将来戦略の両立を目指す」と述べた。