AIと物理機器の接続を標準化する新たな共通規格
米AI開発企業アンソロピックは27日、人工知能と顕微鏡やロボットアームなどの機器を接続するための共通規格「モデル・ハードウエア・スタンダード(MHS)」を開発したと発表した。研究や製造の現場で機器ごとに必要となる接続作業を簡素化し、AIが実際の装置を扱える環境を整えやすくすることが狙いとなる。同社は研究機関や製造業者などを対象に試験提供を開始しており、今後は無償で公開する方針を示している。AIをソフトウエアの内部だけで利用するのではなく、現実の装置と連携させるための基盤づくりを進める取り組みとなる。
顕微鏡やロボットアームとの接続作業を簡素化
MHSは、AIと各種機器を結び付け、AI側から装置を操作できるようにするためのソフトウエア上の規格だ。対象として示されているのは顕微鏡やロボットアームなどで、研究施設や製造現場に置かれる機器との連携を想定している。従来は機器の仕様に応じた個別の接続対応が必要になるが、共通化された仕組みを用いることで、異なる装置をAIに接続する際の負担軽減につなげる。接続方法が統一されれば、新たな機器を追加する際にも一から対応を組み直す作業を減らせる。
USBに近い役割でメーカー間の違いを吸収
アンソロピックはMHSについて、メーカーが異なる製品でも同一の差し込み口で接続できるUSBに近い役割を、実験機器や製造装置の分野で担う仕組みとしている。機器ごとに異なる接続方法を個別に整備するのではなく、共通の規格を介してAIとの連携を可能にする考えだ。こうした標準化が進めば、AIを導入する際の準備工程を減らし、接続に要する時間を大きく縮めることにつながる。メーカーの違いを越えて同じ方式で接続できる点が、MHSの特徴として位置付けられている。
研究機関や製造業者を対象に試験提供を開始
同社はすでにMHSの試験提供を始めており、研究機関や製造業者などが実際の環境で活用できる段階に移している。今後、無償公開する方針も示されているため、特定の企業や限られた機器だけに閉じた仕組みではなく、幅広い利用を想定した規格として展開される。共通仕様の採用が広がれば、AIを新たな装置へ接続する際の技術的な手間が減り、複数の機器を扱う現場でも導入しやすくなる。試験提供を通じて実際の研究・製造環境で利用されることが、規格普及に向けた最初の段階となる。
AIが現実の装置を扱うための基盤整備進む
AIの利用はソフトウエア上の処理だけでなく、現実空間にある装置との連携にも広がっている。MHSは、AIが物理的な機器を扱うための接続部分を共通化し、研究や製造の現場で利用しやすくする取り組みとなる。アンソロピックは試験提供に続き、規格を無償で公開する方針を示しており、利用主体を限定しない形で普及を目指す。AIと機器を結ぶ方法が共通化されれば、接続作業の短縮と導入負担の軽減を通じ、物理機器をAIで操作する利用形態を支える共通基盤としての役割を担うことになる。
