東京都の平均価格が2年4か月ぶりに前月を下回る
8月の東京都における中古マンションの平均価格は、70平方メートル換算の希望売り出し価格で1億1274万円となった。前月から0.2%低下し、月間ベースでの下落は2年4か月ぶりとなる。長期間にわたって値上がりが続いてきた東京都の中古マンション市場で、価格の方向に変化が表れた形だ。
今回の数値は実際の成約価格ではなく、売り手が市場に提示する希望売り出し価格を基準としている。高額物件が多い都心部では、設定した価格では購入者が見つからない例も出ており、売り出し額を見直す動きが広がっている。首都圏全体の平均価格が上昇する中で東京都が前月比で下落した点も、8月の特徴となった。
都心6区で続く価格調整と売り出し価格見直しの動き
千代田、中央、港、新宿、文京、渋谷の都心6区では、8月の平均価格が前月比0.7%低い1億8068万円となった。低下は4か月連続で、東京都全体より早い段階から下向きの動きが続いている。価格上昇が特に大きかった地域で、高い金額を提示しても購入につながりにくい物件が増え、売り手が価格を引き下げる動きにつながっている。
東京都全体の下落率が0.2%だったのに対し、都心6区は0.7%となった。中心部ほど下げ幅が大きく、急速に上昇してきた価格が調整される動きが続いている。高水準の希望価格と購入者側の条件とのずれが、売り出し価格の修正として表れている。
東京23区も3か月続けて中古マンション価格が低下
東京23区全体の平均価格は1億2677万円で、前月から0.4%低下した。23区の下落は3か月連続となり、都心6区だけでなく区部全体でも前月を下回る状況が続いた。東京都全体の平均価格が2年4か月ぶりに下落した背景には、こうした23区の価格変化もある。
都心6区の1億8068万円と比べると価格水準には差があるものの、23区平均も1億円を大きく上回っている。前月比では弱い動きとなっている一方、中古マンションの売り出し価格自体は依然として高額だ。東京都内でも、都心6区、23区、都全体で下落期間や下げ幅に違いが出ている。
前年同月比では依然24.1%高い水準を維持
前月比では下落したものの、東京都の平均価格を前年同月と比較すると24.1%高い。短期的には価格低下が確認された一方、1年前との比較では大幅な上昇幅が残っている。このため、8月の下落によってこれまでの値上がりが大きく失われたわけではない。
現在は、高い価格帯まで上昇した市場の中で、売り出し条件を修正する動きが進んでいる。特に都心では買い手がつかない高額物件で値下げが広がっており、売り手側の価格設定にも変化が出ている。前年との比較では高値を維持しながら、前月比では調整が進む状況となっている。
首都圏の需要は底堅く住宅ローン負担の増加が焦点
東京、神奈川、埼玉、千葉を合わせた首都圏では、平均価格が前月比0.8%上昇して7606万円となり、25か月連続で値上がりした。首都圏全体では過去最高となっており、東京都単独の下落とは異なる動きを示している。中古マンションへの需要は引き続き底堅く、都心で調整が進む一方、広域の価格は上昇を続けている。
東京都だけを見る場合と首都圏全体を見る場合では、市場の方向が異なる局面となった。中心部では売り出し価格の見直しが進む一方、首都圏では高値更新が続いている。今後の需要をみるうえでは、金利上昇による住宅ローン負担の増加も重要な要素となる。
