全国の倒産件数が5年連続増加し高水準を記録
2026年度上半期に全国で発生した企業倒産は、前年同期から3.8%増加し、5,373件となった。対象は4月から9月までに負債1,000万円以上を抱えて経営破綻した企業で、前年同期を上回るのは5年連続となる。
件数は2013年度上半期に次ぐ水準に達し、倒産の増加傾向が続いている。物価の上昇に伴う事業費用の拡大や、労働力の確保が難しい状況が企業経営を圧迫した。
特に人材や資材を必要とする業種で倒産が目立ち、経営上の負担が複数の産業に及んでいる。全国の倒産動向には、企業が直面するコスト面と人員面の問題が反映された。
負債総額は23.5%増加し大型案件が押し上げ
全国の企業倒産に伴う負債総額は8,561億6,900万円となり、前年同期から23.5%増加した。倒産件数の増加率が3.8%だったのに対し、負債総額は2桁の伸びを記録した。
負債額を大きく押し上げたのは、大阪市に所在するクレジットカード決済代行会社「全東信」の経営破綻だった。同社は破産手続きの開始に至り、負債は1,151億6,400万円に上った。
この案件は全国の負債総額の一部を大きく占め、上半期全体の統計にも影響した。倒産企業の数だけでなく、個別企業が抱える債務の規模も全国の負債動向を左右している。
サービス業と建設業で倒産が集中する傾向鮮明
産業別では、飲食店などを含む「サービス業他」が1,828件で最多となった。前年同期比では3.7%増加し、全国の倒産件数の3割以上を占めた。
サービス分野では慢性的な人手不足が続いており、人材確保の難しさが事業運営上の負担となっている。倒産件数の多さからも、同分野における経営環境の厳しさが示された。
建設業の倒産件数は1,035件となり、サービス業に次いで多かった。人手の確保が難しい状況に加え、建築資材の値上がりが企業の利益を圧迫している。業種を問わず、人材不足や事業コストの上昇が経営上の大きな課題となっている。
高知県では建設業を中心に小規模倒産が発生
高知県内の倒産状況をみると、2026年度上半期の件数は13件で、前年同期より1件増加した。上半期として増加に転じたのは2年ぶりとなる。
負債規模別では5,000万円未満が9件と大半を占め、5,000万円以上1億円未満と1億円以上5億円未満がそれぞれ2件だった。10億円以上の債務を抱える大型の倒産は確認されていない。
県内の業種別件数は建設業が7件で最も多く、製造業が2件で続いた。倒産に至った要因としては販売不振が10件を占めており、売り上げの低迷が県内企業の経営破綻に大きく関係している。
仕入れ価格や金利上昇が今後の企業経営の課題
企業を取り巻く費用面の負担は、資材価格や人件費だけにとどまらない。中東情勢や円安を背景とした仕入れ価格の上昇も、全国の事業者が直面する経営上の課題となっている。
高知県では金利の上昇も企業の資金面を圧迫しており、経営に余力の少ない小規模事業者を中心に倒産増加への警戒が示されている。全国的にも、原材料などの値上がりを販売価格に十分反映できなければ、経営破綻が増える可能性が指摘されている。
全国の倒産件数が増加する一方、高知県では負債総額が前年同期比57%減少するなど、地域によって統計上の動きには違いがみられる。費用上昇への対応と収益の確保が、引き続き企業経営の重要な課題となっている。
