飲酒発覚で運航に大幅な影響
日本航空の国際線で機長の飲酒が確認され、運航に大きな乱れが生じた。国土交通省は9月10日付で厳重注意を行うことを決定し、改善が見られない同社の現状を深刻視している。昨年に続く指導措置であり、組織管理の不備が再び浮き彫りとなった。
ホノルル発便で最大18時間超の遅延
8月28日のホノルル発中部行き便で問題が表面化した。64歳の男性機長が前夜にビール3本を摂取し、当日の検査で飲酒反応が検出されたため、運航が大幅に遅れた。3便に影響が及び、最長で18時間以上の遅延が発生、多くの乗客が影響を受けた。
社内ルールを無視した行為が判明
日航は2024年12月以降、滞在先での全面禁酒を定めていた。しかし当該機長は過去にも飲酒を繰り返し、社内で「要注意者」に分類されていたことが明らかになった。規定違反が続いたことで、管理体制の甘さが浮き彫りになっている。
国交省が再発防止策を要求
国土交通省は9月9日、日本航空に厳重注意を行う方針を明らかにした。翌10日には同社役員を呼び出し、再発防止策の具体的な内容を示すよう求める予定である。今回の対応は2024年12月の業務改善勧告に次ぐもので、度重なる不祥事に対して強い警鐘を鳴らす狙いがある。
信頼回復への課題が残る
日航は過去の不祥事から社内規律を強化してきたが、依然として飲酒問題が再発している。パイロットの行動管理や監督体制の強化が急務とされ、国交省は今後も厳しく監視を続ける見通しである。社会的信頼を取り戻すための実効的な対応が求められる。
