期限迫る中で合意に至らず
米連邦政府の現行予算が9月30日で失効する中、議会での調整は難航している。共和党主導の下院は暫定予算を可決したが、上院の民主党が医療関連予算を盛り込むよう求め、採決で否決された。結果、トランプ政権と議会は29日に協議したものの、合意に達することはできなかった。
政府閉鎖のリスクを警告
会談後、バンス副大統領は「政府機関の閉鎖に進んでいる」と記者団に述べた。公共サービスを人質にするべきではないとの姿勢を強調したが、妥協点を見いだせない現状を示唆した。民主党のシューマー院内総務も「我々は国民が支持する医療制度改革を提案した」と語り、共和党に譲歩を求めている。
統計発表の停止で市場に影響も
閉鎖に陥った場合、米労働省は10月3日発表予定の雇用統計をはじめとする経済データの公表を停止する計画だ。雇用統計は景気の実態を示す重要な資料で、金融市場の不透明感を高める可能性が高い。
過去の閉鎖が及ぼした打撃
米国ではこれまで14回政府閉鎖が起きており、特に2018年から19年にかけての35日間の閉鎖は史上最長となった。公務員の給与停止や観光業の停滞などの悪影響が繰り返されており、今回閉鎖が実現すれば約7年ぶりとなる。
国民生活と経済に迫る影響
閉鎖が長引けば、政府職員の無給労働や旅行者への影響、観光施設の閉鎖が予想される。政府の予算対立は繰り返されてきたが、今回もその行方次第で米国経済と社会全体に大きな混乱をもたらす可能性がある。
